「地黒ってマジで損だよなー」「可愛い服似合わねーな」「恋愛ってめんどくせーな」が積み重なり、ここ最近は破れたTシャツを着て平和な大学生の夏休みをおくっています。女子をこじらせたのか、もはや何がなんだか判断しかねる領域に達した、シングルマザー女子大生の上原由佳子です♡
昨年の夏にしばらく東京に滞在していたとき、無邪気さも失いかけ、身の周りにシングルマザーがぽつぽつ現れるくらい歳を取った1988年生まれの上原と友人のエリカは、恵比寿のオシャレなカフェで、恋バナに花を咲かせていました。
エリカから、彼氏持ちのシングルマザーが金銭的な問題で同棲をためらっているという話を聞きながら、「上原はヒロト君(元カレ)と同棲したかったな……」と考えていました。するとエリカが「由佳子はさ、元カレと一緒に住もうとか思わなかったの?」と、心が痛む質問を投げつけてきました。そりゃあ一緒に住みたかったさー! でも、シングルマザーにとって彼氏と同棲するのは、めちゃくちゃハードルが高いんです(涙)。
「一緒に住みたかったよ。でもさ、一緒に住むと児童扶養手当受給できなくなっちゃうしさ。全部、彼氏に頼るのもオカシイじゃん」ふてぶてしく話す上原に対して、エリカは「ええ!! 一緒に住む=生計が同じ前提の制度って古臭くない!? 共働きが当たり前の社会なのに、いきなり相手の負担増やすとかできないっしょ!!」と、驚いていました。
さて、今回はエリカをびっくりさせた「児童扶養手当と恋愛」について書いてみたいと思います。
彼氏とのお試し期間が許されない
以前、先が見えない男性とは付き合いたくないとか、恋愛する時間がないとか書きましたが、シングルマザーの恋愛には、児童扶養手当を受給できなくなるというリスクもあります。
どういうことか。例えば上原が娘ちゃんと2人暮らしをしていたとしましょう。その後、上原に彼氏ができ、その彼氏が週に3回家に来て、晩ご飯を一緒に食べたり、週末は泊まって行ったり、ごくごく一般的なお付き合いをするようになったとします。すると上原は児童扶養手当の受給対象から外されてしまうかもしれないのです。というか、役所にバレると100パーセント打ち切りでしょうね(苦笑)。
ようするに、母子家庭に男の出入りがあると、行政から「事実婚だ(=母子家庭ではない)」とか「彼氏からの援助がある(=十分な収入がある)」と判断されるんです。これが付き合っていない男友達でも同じくらいのリスクがあるので、迂闊に男友達を家にあげることもできません。また制度上、「(彼氏との結婚するかを判断する)ちょっとしたお試し期間」みたいなものは許されないわけです。それに、
もちろん上原もシングルマザーがホイホイとお付き合いをすることを手放しで賞賛しているわけじゃありません。再婚した人が子どもに手を出す、あるいは手を上げるような人だったら? 再婚した途端に高圧的な態度をとるようになったら? 考えるとキリがないくらいたくさんの不安があります。子どもがいるからどうしても慎重になるし、そもそも「失敗したい」と思って結婚する女性なんて少ないはずです。失敗しないためにも、児童扶養手当を打ち切られない状態での「(彼氏との)ちょっとしたお試し期間」みたいなものが必要だと考えています。だって、再婚してから「この人とはダメだ」とわかってしまったら。離婚するときに法的手続きやら何やらで時間がかかるし、子どもの精神的ダメージも大きいんですもの。
“オンナ”であることを意識させられる
そういえば、児童扶養手当の申請で役所に行くと「妊娠のご予定は?」「妊娠の可能性は?」との質問を受けるのですが、全国のシングルマザー/ファザーも同じ質問をされているのでしょうか? 沖縄だけ?
ひとり親が“弱者”だから妊娠の可能性まで管理されているのでしょうか? もっと突っ込んだ言い方をするなら、女性だから、子どもを身籠る性だから、妊娠の可能性の有無を聞かれるのでしょうか?
日頃どんなに女子力の欠片もないような服装や言動を繰り返していても、申請の日は“弱者”と“オンナ”にならなくちゃいけない。ここ2年は「妊娠の可能性も予定もなければ、そもそも彼氏がいません!!」と言っているので、その度に無性に切なくなるし、寂しくなるし、自分が“オンナ”であることを意識させられます。そして気落ちしてしまいます(笑)。
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