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【messy調査】すくなくとも雑誌は衰退していない?伸びる女性誌、強いセックス&旅特集

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 たいへんお待たせいたしました! 「【messy調査】あなたが読んでいる雑誌を教えて下さい!」の結果を発表いたします。結果発表に時間をいただいてしまったのは、これまで実施してきた様々なアンケートテーマと比べて、なかなか回答数が集まらなかったためです……これもまた「雑誌離れ」の表れなのでしょうか?

 しかしせっかく回答してくださった読者の手間を無駄にするわけにはいきません。そこで今回は、回答者が羅列して下さった雑誌の印刷部数について、一般社団法人 日本雑誌協会が公表している2008年4月から2015年6月までの推移データをグラフにまとめたのでご覧ください。回答者が読んでいる雑誌をカテゴリごとに分けました(一部、データが登録されていなかったためカットいたしました)。

業界全体が縮小気味の中、伸び続けるCLASSY.

 最初は「女性ヤングアダルト誌、女性ヤング誌」にカテゴライズされている、「GINZA」(マガジンハウス)、「andGIRL」(M-ON! Entertainment)、「CLASSY.」(光文社)、「CREA」(文藝春秋)、「FRaU」(講談社)、「ar」(主婦と生活社)、「an・an」(マガジンハウス)、「non-no」(集英社)の8誌の印刷部数推移です。

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 このグラフを見る限り、全体的には減少傾向にあるようですが、その中で特異なのが「CLASSY.」です。2014年4-6月期から2015年1-3月期には、約11万部ほど印刷部数を増やしている。2014年10-12月期には、このラインナップで常に印刷部数一位の座についていた「non-no」を抜いています。また「CLASSY.」だけでなく、「andGIRL」、「ar」もわずかではありますが印刷部数が増えているようです。ちなみに男性誌の「POPYE」も2012年4-6月から発行部数を増やしつつありました。

 女性誌については小学館 女性インサイト研究所が、書店(全国279店舗)の女性誌担当者に聞いた、「売れる女性誌と売れない女性誌、どこが違う?」というアンケートをとっていました。

 この結果をみると、TOP3には「付録(98.9%)」「芸能人・アーティストの出演(64.5%)」「雑誌の値段(54.8%)」となっています。「付録」についてはmessyで行ったアンケートでも「おまけのCDが目当て(ゆほびか読者)」「付録目立て(mini、non-no読者)」といった意見が多く寄せられていました。

 ちなみに、もともと雑誌は日本雑誌協会によって厳しい基準が設けられており、素材や大きさなどが決められていました。しかし90年代後半に雑誌の売り上げが減少してしまい、活性化を図るため2001年に規制が緩和され、付録をつけることが可能になったという経緯があります(「よりマニア向けに、雑誌の付録に変化あり?」に詳しい経緯が載っています)。

セックス特集はやはり強い!

 なお、8誌の中で特徴的な動きを見せているのが「an・an」です。「an・an」だけを抽出したグラフを見てみましょう。

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 印刷部数が増えている時期をよく見ると、2009年、2011年、2012年、2013年、2014年と7-9月期にグンと伸びているのがおわかりいただけるかと思います。夏になると必ず組まれる「セックス特集」と関係があるのでしょうか? もはや夏の風物詩といっても過言ではない特集ですし、出版社も勝負しているのではないかと思われます。

 ちなみに、季節ごとの推移で顕著な変化があったのは「エリア情報誌」の「Hanako」(マガジンハウス)も同様です。

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 こちらも同じく7-9月期に印刷部数が増えている。この時期の特集をバックナンバーで見ると、旅行特集を打ち出すことが多いようです。おそらく夏休みに旅行に出る読者をターゲットに特集を組み、印刷部数を増やしているのでしょう。

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