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アイドルを崇める日本人男性、アイドルに呆れる外国人男性

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Photo by Helmuts Guigo from Flickr

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「日本人男性」と「外国人男性」って、女性観が基本的に違う。それは「アイドル」の見方について、一番如実に表れる。

日本では昔から、そして現在も「アイドル」という存在がたくさんいる。

彼女たちに付随するイメージ、つまり「模範的なアイドル像」っていうのは、清楚で純粋であること。経験値が低くて、世間知らずで、でも努力家でがむしゃら。視点を変えると、アイドルって幼稚な女の子です(実像はもちろん、違いますけれど)。

最近はK-pop的な強め・セクシー系の和製アイドルも出てきていますが、正統派の王道アイドルではないですね。

アイドル的な女性がここまで人気を得るのは、日本ならではの現象です。

海外でライブを開催したり国際イベントに出演するアイドルグループもありますが、実際に現地にいた私が肌で感じたのは、日本以上に海外では「アイドルファン=相当なオタク」と認識されているということ。彼らは、バーチャルに恋する変わった人たち、と見られています。そして圧倒的に少数派。

正直に言って、非オタクの一般的な外国人からは、日本のアイドルたちは「頭大丈夫?」と思われています。

ぶりっ子して、アニメ声や甲高い声を意識して出し、幼児体型を強調しあえて幼さの象徴であるツインテールにしたり制服をまとったり。いい年頃(18歳ぐらいから……ですかね)の女性なのに、あえて幼稚なキャラクターを演じているアイドルたちは、「ちょっと気持ち悪い」という印象を持たれます。

もちろん日本人男性の全てがアイドル好きなわけではありませんが、このジャンルがポピュラーであること自体が、海外の一般層からすると「日本の謎」みたいなものです。

では、外国人男性にはどんな女性が人気なのかというと、見た目は年相応、精神的にも社会的にも、きちんと自分を持って自立した女性です。
どこでそれが判断されるかというと、「声」や「喋り方」がひとつの大きな要素。

誰でも一度は経験あるでしょ、好きな人との電話のとき、普段女友達や家族と話してる地の声より、1トーン上げてぶりっ子してみたこと……これ、ものすごく不評です。
外国人男性からすると、甲高い声より、落ち着いたちょっと低いくらいの方が、しっかりした印象で「セクシー」だったりするのです。

そして、普段そんな印象の彼女が、喜んだり、嬉しくてテンションが上がった時に声のトーンを上げてリアクションしたり、可愛いらしく甘えてくると、「そのギャップが可愛い!」と思うのだそうです。

普段からずーっと高い声で、ぶりっ子の話し方をされたら、それは可愛いではなく、ただの馬鹿女だ、という価値観がそこにはあります。

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千野根アディス実弓

フリーランスのメイクアップアーティスト&スタイリスト&トータルビューティープロデューサー。テレビや雑誌、広告、CMなどを手掛け、多くの女優、タレント、モデル、歌手を担当。豊富な人生経験から、独自の恋愛やモテテクニックのアドバイスを繰り出していく。