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高収入でリスクも少ないって…!? 『ネット風俗嬢』に見る明と暗

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 私が目を見張ったのは、チャットルームによる教育のきめ細やかさでした。女性の個性を見極め、その魅力を最大限引き出す見せ方を提案し(コスプレさせたり)、どのタイミングで何を言い何をすべきかを演出し、ことば遣いが汚い女性にはそれを正してあげ、日報を書かせてその女性の弱点を洗い出し、一緒に克服法を考えてあげる……。なんて、いたれりつくせり! 自分たちにお金を落としてくれる存在なのだから、管理側もそりゃ手をかけるよ、といってしまえばそれまでですが、この男性管理人の発言には端々から女性への思いやりが感じられます。

 実際、彼の話ではこうした指導を受けた女性たちはネット風俗嬢を辞めた後、「銀行や大手不動産会社など結構良いところに就職」していくそうです。それができない女性のためにも、エステサロンやスクールを運営していて、そこで手に職つけて卒業……という道まで用意しています。そして、彼女たちがネット風俗嬢として活動していくうえで抱えるリスクにも、この男性は細心の注意を払っています。

 性風俗にはリスクがつきもの、というのは私のような門外漢にもわかります。そしてネット風俗に特有のリスクが多いのも、想像がつきます。基本は顔出ししなくても、相手男性と1対1の2ショットとなったとき限定で見せる人もいるそうです。そうでなくても、何かの拍子に顔が写る可能性は低いとはいえありますし、そうなると個人が特定できてしまう場合だって当然ありますよね(身体の一部からの特定もできそう)。そうした配信動画を録画できるソフトなどもあるといいますから、つまりは流出の恐れもある……。

 大小さまざまのリスクは、上げればきりないでしょう。しかし、それらはすべて管理人男性の取材によって「それについてはこう対策しています」「予防しています」とフォローされていくのです。そこで紹介されるリスクが、安全性を強調するための材料となっているようで、やや怖い印象を受けました。

優良店以外は推して知るべし

 当然、それは〈取材に答えているこの管理人の運営するチャットルーム〉でのお話。このお店は大いに成功しているようですし、ここまで女性のことを考えてくれているのですから、そうとうな優良店なのは間違いないのでしょう。ネット風俗という風俗界の新たな潮流を紹介するにあたって、盛り上がっているお店の裏側を取材するのは当然のことです。本書では女性がほとんど稼げない、お店からのバックアップもないというケースも紹介されています。そうしたお店のリスク管理についての詳細はありませんが、おざなりにされていることは想像にかたくありません。

 「だったら私も」とちらっとでも思った女性の印象に残るのが、優良店のすてきな事例ではなくシビアな現実であってほしい、というのが、私が読後まず思ったことです。安全に働けるお店もあるけれど、そうでないところが非常に多いというのが、やはり現実でしょう。そして、優良店でもリスクを軽減はできてもゼロにはできません。

 これは日ごろ、AVについて話題になるときも思うことですが、何かAV業界のブラックな面が指摘されたとき、「いまどきAVメーカーもプロダクションもちゃんとした企業なんだから」「世間が思っているよりクリーン」という声がネット界隈でよくあがります。実際クリーンなところが大多数なのでしょうが、そうでないところも確実にあるはずです。クリーンさを強調されるほどに見えなくなるものがあるのではないか……という気がしてならないのです。

 もちろんそれは、読む側、受け取る側の判断に任せられたものです。とはいえ、ネット風俗嬢への垣根はほかの性風俗よりずっと低そうです。加えて本書でも、学費を自分で稼がなければならない学生や、生活のために少しでもお金がほしいシングルマザーの受け皿となっているという記述もありました。切羽詰まると人は判断能力を奪われますが、そんなときほどマイナス面の情報をスルーせずにちゃんと受け取ってほしい。性風俗とは遠いところにいる者の杞憂かもしれませんが、そう願ってしまうのです。

(桃子)

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桃子

オトナのオモチャ約200種を所有し、それらを試しては、使用感をブログにつづるとともに、グッズを使ったラブコミュニケーションの楽しさを発信中。著書『今夜、コレを試します(OL桃子のオモチャ日記)』ブックマン社。

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