さて、子宮委員長の教えを実践したらどんな女性ができあがるのか? ちょっと想像してみましょう。
大金を手にするためせっせと膣を使い、固定観念にとらわれず、罪悪感を覚えることほどどんどん行い(言い訳は“全部子宮のせい”)、女はあくせく働くなんてもってのほか、好きなものは好きなだけ食べ(膣があり、女である限り太っても愛されるそうですが、〈入れる穴があれば男は満足〉というようにも聞こえます)、自分にしか興味がなく、自分のためだけに生きる。手に入ったお金は魂が喜ぶことにどんどん使いましょう。私が幸せなら、それがパートナーの幸せでしょ?
あ あ! あの女性を思い出しませんか……。
そうです、まさかの木嶋佳苗!? 「自分のために生きている人は元気で低体温なんてならない」と子宮委員長は言いますが、木嶋佳苗もポカポカ子宮なのかな。そういえば木嶋佳苗も自分の性器はほかの女性たちとは違う〈特別仕様〉であると、信じていましたね。ご自慢の生殖器で自分自身にOK出しするのも、パートナーが喜んでくれるのも大変結構なことですが、妙な万能感を覚え出したらヤバげ!
それでも増えつづける信者
2014年にアナ雪でも大ブレイクした〈ありのまま〉というフレーズは癒し界隈でよく使われる言葉でもありますが、〈好き勝手してもいい〉という意味ではないよなあ。〈罪悪感が消えて不道徳なことであっても自分の好きなように生きたら、世界はもっとHAPPYになる!〉とあるけれど、私にはものすごく自分勝手な人が増えた困った世界になるように思えます。世紀末の荒廃した世界で頭の悪い徒党が弱者に襲い掛かるヒャッハーな世界。そう感じるのは、子宮が冷えているからなんですかねえ。
根拠がなくてもそこに“納得できる物語”があれば、布ナプキンだろうがデトックスだろうがオーガニックだろうがおまたぢからだろうが、人は信じたいものを信じるもの。しかしこの激しく雑な子宮説法で、納得する女性がどれくらいいるのか……? ところがセミナーを告知すればすぐに予約で満席、ブログは1日19万アクセスだといいますから、もしや既に、世は末なのか。
(謎物件ウォッチャー・山田ノジル)