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27歳、チャイナエステ愛好男性が「ピンサロにはハマらなかった」理由

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名前のない男たち

連載:名前のない男たち/鈴木えみ

風俗で働く女の数以上に、風俗でヌく男たちがいる。
人前でハメるAV女優の数以上に、人知れずヌく男たちがいる。
そんな名前のない男たちの、地味めなインタビュー、はじめます。

“連れピンサロ”で風俗デビュー

ゆうと(27歳)
九州地方出身。某有名私大卒業後、新卒採用で正社員に。現在の年収は420万。
東京都内、JR某駅から徒歩10分、東京メトロの某駅から1分の1Kに1人暮らし。
家賃7万強。彼女アリ。

 友人から、「チャイナエステに詳しい、大学の後輩がいるよ」という紹介で取材の約束を取り付けてもらった。東京都JR神田駅、20時半。中国人エステ好きなんて、結構な玄人かもなぁ……と思っていたところに現れたのは、綾野剛に似た、ジャケットが似合う文学系の男の子だった。

――いちばん最初の風俗は?

ゆうと「19歳でしたね。大学1年生の時に、2~3人で大塚のピンサロにいったんですよ。大みそかの日でした。僕は九州の実家にも帰らないで、東京でもやることがなくて。サークルの先輩が『みんながしなそうなことをしよう』って言いだして。わりと早めの時間、18時くらいに行ったんですよ。そうしたら、『大みそかは19時閉店だよ』って店の人に言われて。大急ぎで入店したけど、不発で(ヌケずに)終わりました」

――どうして大塚?

ゆうと「先輩のチョイスで。単純に、安いからって理由だけで大塚になったんだと思う」

――ああ、連れションならぬ、連れ射精。どうだった?

ゆうと「『こんなもんか』、って感じで。北口のいちばん手前にあるお店だったかな。そこはその後もちょくちょく、友達に誘われたら行くようになったけど、射精したことは1回もない。もともと、口でしてもらうより、手コキのほうが好きなんです」

――ピンサロは、ひとりでは行かない?

ゆうと「友達としか行かない。ピンサロに1人で行くくらいだったら、スタバに入る。完全に付き合いですね。とにかく会話のネタにするため。あとは昔、僕の友人が風俗にハマってたんですよ。大塚には当時、本番できる場所があって、それもあって風俗といえば大塚北口、だった。でもそいつが東京を引っ越しちゃってからは、大塚通いもなくなった。学生の頃から今まで、40回はピンサロに行ってるけど、でもそのうち、2回くらいしかイッてない」

――本当にヌキ目的じゃないんだ。大塚以外には、どの辺のピンサロに行ったことがある?

ゆうと「立川、池袋、上野かな」

――池袋と上野はわかるけど、何で立川?

ゆうと「学生のころ、立川のネットカフェでバイトをしてたんで。そこでネカフェ難民の人と仲良くなって、彼が御用達だっていうピンサロがあったんで行ってみた。難民の人は、パチプロのボスみたいな人に雇われて、パチンコ屋でボスの代わりに台を打つのが仕事なんですよ」

――勝てばその日の稼ぎが上がると。

ゆうと「そうそう。そういう時にその人が行くピンサロ。30分7000円だったかな、ピンサロにしては高めですけど、有名店みたいで。その後、別の後輩から『先輩、いいピンサロがあるんすよ』って連れて行かれたのも、同じピンサロだった(笑)」

――そこではヌケた?

ゆうと「いや、別に何の期待もしてないですからね。なんなら『今日は勃つかなぁ』、くらい思ってるし。大体が酒を飲んだあとに行くし。射精しようとは思ってない」

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鈴木えみ

元デリヘル嬢(副業型、関東近郊の中級店)。写真はデリヘル勤務当時の“パネル”として使用していたもの。フリーター、時々ライター。

twitter:@emi_sws