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27歳、チャイナエステ愛好男性が「ピンサロにはハマらなかった」理由

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――そこから、同じ店にハマったの?

ゆうと「いや、同じ店に行っても、全然おもしろくなかったんですよ。やっぱり、あの“どんな店かわからない”ドキドキする感じがいいんだと思って。それで新規店舗ばかり開拓するようになって、月に2回は新しいチャイエスを探すようになって。店は毎日のように入れ替わり立ち替わりが激しくて、無限に出てきますからね」

――ピンサロは付き合い程度だったのに。

ゆうと「ピンサロってなんか『パーティー感』が強いんですよね。アッパーな感じ。個室でもないし。チャイエスは、だるくて、ゆっくりで、とにかくあやしい。妖艶な空気がある。一見、普通のエステ屋さんと一緒なんですよ。だけど女の人が『仰向けに寝てください』と言ってから、急にスケベな感じになることもある。とはいえ、店によって全然違うから、どの店にいっても、先が読めないんです」

――ああ、その「見えない感じが」……

ゆうと「うん、ハマっている理由だと思う。エロなのか、エロじゃないのか、くじ引き感。ピンサロより高い金を払って、しかも1人で行くから、友達と苦笑いとかしてごまかせないし。『もう負けてられねぇ感』が強いんです」

“チャイエス”はディズニーランド

――お金はいくらくらい使うの?

ゆうと「1回で8000円から1万5000円の間かな。ヌイてもらったあとは、気持ちが晴れて、次の日起きられないくらいにぐっすり休めて、満足します。全身も、下腹部もすっきりデトックスされて」

――今月は行った?

ゆうと「いや、彼女にアガットの指輪を買っちゃったんで、金がないんすよ。2カ月くらい行ってない」

――チャイエスに行く20代って、珍しいよね。

ゆうと「確かに、周りにはあまり行く人がいないですね。僕はめちゃめちゃ勧めてるんですけどね。だけど『何言ってんの』、みたいな目で見られるなぁ。みんな中国人とやりとりするのが、イヤなんですかね。アソビ、マッサージ、エロ。チャイエスには、全部あるのに」

――ピンサロにはない?

ゆうと「というか、ピンサロって、システムがもう分かりきってるじゃないですか。店に入って女の子と適当にしゃべって、適当に仲良くなって、口でしてもらう。でもチャイエスは、店を探すところからなんですよ。HP見て、看板見つけて、本当にあるのかな、無いかもな、とドキドキし。やっと入れても、どんな子が出て来るんだろう、みたいな。そこから仲良くなれるかな、なれないかな、みたいな。全く決まってない。お店ですごく仲良くなった子に、『朝まで寝てていいよ』って言われて、部屋でずっと寝てたこともありますよ。双子のおばちゃんと、8000円で3Pに発展したこともあるし。その店は、すぐに無くなっちゃいましたけどね」

――私自身がデリヘルでいろいろなお客さんに会ったから思うことだけど、働いている人にとっても、ゆうと君みたいな若くて、フツーの見た目の子が来たら嬉しいかも。

ゆうと「だいたい僕は夜中に行くんで、向こうが僕を見てホッとしてるのがわかる時がありますよ。それで優しくしてくれる。50代の男より、ヌイてもらう成功率は高いんじゃないかと。『ヌキあり』ってネットで噂されている店でも、女の子によってはお客を選んでて、ヌイてもらえないこともあるんで。男は若いうちにこそ、チャイエスは行くべきですよ」

――コースの時間でいうと、全体の8割くらいが普通のマッサージなの?

ゆうと「いや、9割がマッサージで、最後1割がヌキ」

――10割マッサージの時もあるわけでしょ?

ゆうと「いや、そういう時もやっぱり9割がマッサージで、あと1割は、自分がゴネる(笑)。『えっマジで何にもないの?』って」

――チャイエスの、ドラクエみたいな冒険感がいいのかな。

ゆうと「ああ、そうですね。僕、退屈なんすよね。毎日。もう3年も埼玉~東京のいろいろな店に通っているから、チャイエスもちょっと慣れてきた。それでも、まだまだ非日常感があるから楽しい」

――だから予定調和の風俗より、びっくり箱みたいなチャイエスがいいんだ。

ゆうと「今のリーマン生活って、大学の時みたいに、すげー楽しかったり、すげー怖かったり、すげー悲しかったりすることがもう無いんですよ。ヒマつぶし、って言ったら言葉は悪いかもしれない。でも、女子の世界でいう、ディズニーランドに行きたくなる感覚と同じじゃないすか。行く前からワクワクしちゃうみたいな」

――金額的にも同じくらいかもね。ここ2カ月は金欠で行ってないとのことだけど、次の給料が入ったらチャイエスに行くつもり?

ゆうと「うん、たぶん。ああ、でも、いや……」

――あれ?

ゆうと「実は最近、4万円の高級掛け布団を買ったんですよ。そしたら、適温で眠れて、家での睡眠がめちゃくちゃ気持ちいいんですよね。快眠できる。だから前ほどは行かないかもしれないなぁ。今の布団で寝るの、サイコ―ですよ。

 取材場所の居酒屋を出て、神田駅に向かう道すがら、「この辺も結構、チャイエスの看板は出てるみたいですね。まぁ、そのうち開拓してもおもしろいかも」と彼はつぶやいて、4万円の掛け布団が待つ家路を急いでいった。チャイエスは彼にとって、「ぐっすり眠りたい夜のための、楽しいゲーム場」だったのだろうか。

「海老チャーハンを出してくれた店は、もうとっくに消えてますね」とエステナビを確認するゆうと

「海老チャーハンを出してくれた店は、もうとっくに消えてますね」とエステナビを確認するゆうと

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鈴木えみ

元デリヘル嬢(副業型、関東近郊の中級店)。写真はデリヘル勤務当時の“パネル”として使用していたもの。フリーター、時々ライター。

twitter:@emi_sws