……これからどうすんだよ。取材したいけど言葉わかんないし……。若干不安になっていたそのとき! 「日本の方ですか?」と、日本語で話しかけて下さる方に遭遇したではないですか~。日本語堪能なトランスジェンダー・ジェイミーは今年で3回目の参加。そして今回はじめて、レインボーフラッグの旗手をつとめることになったと、胸を張っていました。
「今年は昨年より人数が増えているし、進歩した気がします」ーーそう話す22歳のジェイミーだけど、ここに来たのは親には内緒。香港でもゲイやレズビアンは社会に出てきつつあるけれど、トランスジェンダーはまだまだカミングアウトすることが難しいのだそう。ゆくゆくはGID(性別適合手術)も希望していて、母親は納得しているけれど父親の理解は得られていない。しかし今日は中国大陸や台湾からもたくさんの人が集まっているので、楽しい1日になればと、笑顔を見せてくれました。
15時を過ぎ、パレードが出発というそのとき、突然の雨が降ってきた……。でも一瞬でやんだので、祝福の雨ということにしておきましょう。
暑さに負けず笑顔で行進
「違いを抱きしめよう!」と、広東語のシュプレヒコールをあげながらゆっくりと通りに出るパレードの皆さまですが、サウンドカーなどはなく、まさに行進といった感じです。ここでもクレディ・スイスやシティバンク、スタンダードチャータードなど、グローバル金融機関のチームが目立つなか、ゴムのオカモトや野村證券グループといった日本企業も健闘していました。なかでも野村のスタッフは、押すとシャボン玉が吹き出る手押し車持参で、これがもう目立つ目立つ。日本のパレードでも、これぐらいはじけて欲しいものです。
MTRで2駅先の天馬公園がゴール地点で、約3キロの道のりを歩くのですが、音楽がないのと警察の誘導がヌルいせいか、列がどんどん伸びていく……。先頭と最後尾の距離、1キロぐらいあるんじゃね? という程の伸びっぷりでした。ゆ、ゆるい。しかもこの日の気温は約28℃、湿度は約70%。暑いわ蒸すわで、ゴール手前付近ではどなた様も、結構バテバテになっておりました……。
とはいえグローバルシティなだけに、どの国よりも参加者の属性はバラエティに富んでいたし、奇抜なファッションではなく思い思いの姿が多くて、どこかアットホームな雰囲気。そして日本や韓国に比べると、年齢層も若めで大学サークルの幟(のぼり)も目立っていました。