ゴシップ

叶姉妹がまだ目のまわりに黒いアイラインを引いていなかった頃

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叶姉妹

あなたにとって憧れ?それとも恐怖?叶姉妹の魅力は底知れない。

短期集中連載・叶姉妹を読む!02

  叶姉妹がこれまでにリリースしてきた著書や写真集といった作品から、「叶姉妹」というタレントを読み解いていきます。今回は、1999年、人類が滅亡するといわれていたあの年にリリースされた『別冊25ans 叶恭子のスーパービューティ』(婦人画報社)を見ていきましょう。

 今でこそセレブの代名詞である叶姉妹ですが、今のように芸能界で注目されるきっかけとなったのが、意外にも「読者モデル」として、だったというのはよく知られている話です。

 その雑誌が『25ans』と書いて、「ヴァンサンカン」と読むのだ、なんてつゆほども知らなかった幼少期、毎月ファッション誌を買うという習慣のなかった私の母(当時30代半ば)が、一冊だけ保管して何度もページをめくっていた雑誌が『25ans』だったという記憶があります。普段ゴージャスでセレブな格好をしているわけではない母だったのに、なぜあえて『25ans』だったのか。今でも謎です。その後、40代後半になって10年ぶりに母が購入していたのは『VERY』(光文社)でした。どちらも対象読者年齢からは大きく外れているのですが。

 さて、そんな『25ans』が99年に、当時スーパー読者モデルだった叶恭子さんをフィーチャーした別冊本を刊行しました。それが「別冊25ans 叶恭子のスーパービューティ」です。

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「別冊25ans 叶恭子のスーパービューティ」婦人画報社

世紀末の美神・叶恭子

 恭子さんのご尊顔が、2013年現在とは別人のように見えますね!それは、黒々と引かれたアイラインやつけ睫毛がなく、唇も今ほどふっくらしていないせいかもしれません。当時はこれでも十分に「濃いメイク」だったのでしょうが、あらためて見てみると、ナチュラルメイクです。

 誌面では、恭子さん愛用のメイク用品がズラリと紹介され、ご本人自らビフォーアフターのメイク過程を実演。貴重なすっぴんを垣間見ることができるのですが、二重まぶたで肌にシミや毛穴のたるみ、シワが目立たず、鼻筋もしっかり通っている恭子さんは、すっぴんでもほとんど変わりません。童顔の女性ならいざ知らず、「大人びた顔立ち」なので、びっくりするほどのギャップは生まれないわけです。アイブロウまで全部落としたら、さすがにビビるかもしれませんが……(誰でも眉毛のない顔が一番怖いものです)。

 紹介されているメイクグッズはシャネルが多いものの、一般女性でも小金持ちならば入手可能なものばかり。当時の叶姉妹が、あくまでも「読者代表」であることを思い出させてくれます。旅行必需品の中に「中山くん(中山式快癒器)」が紛れていたり、今では貴重な「白シャツ+ジーンズ+ローファー」というシンプルスタイルを披露しているのも、恭子さんが現在よりは“こちら側”に近い場所に立っていることがうかがい知れます。

中山くん

中山くん。祖母が愛用していたことを思い出します

 この頃はまだ姉妹を取り巻く「メンズ」の存在や、世間の多数派からは奔放と揶揄される自由なセックス観については言及していません。あくまで、「女性による・女性のための」叶姉妹だったのです。その後、ワイドショーやバラエティ番組などに出演する機会が増え、叶姉妹は「雲の上の存在」になっていきます。
(ヒポポ照子)

ヒポポ照子

東京で働くお母さんのひとり。大きなカバを見るのが好きです。