そういや、47連勤が終わりました。
久しぶりに休みになり、家でぼけーっと日々を過ごしていると、ふっと頭に憂鬱が去来しました。
嗚呼……虚しいなぁ。
自殺したいな。
僕は何をやっているんでしょうか?
食べたくもないのに食べ物を口に運びました。ダイエットのため、基本的には晩飯一食だけ、よほど腹が減ったらサラダチキン、といった食生活を続けていたのですが、呆気なく破って、先週のコラムの最後で書いたように、日中からひたすら食べ続けました。
生きているのが、つらい。
人間って何のために生きるんでしょうか。
働いて働いて小銭を稼いでたいしたものも買えずあとの時間は疲れて寝るだけ。奴隷です。
疲れて何もする気が起きません。寝込んでるうちに三連休が終わりました。布団を頭から被ってうずくまりながら、薄暗い部屋で僕はなんとなく、この連勤の日々を振り返ったりしました。
連勤の日々
会社では黙々とバイトしていました。僕は働くこと自体は嫌いではないのです。何かに没頭することで、人生の虚しさを忘れられるから。ただ、あとから余計虚しくなるのが嫌なだけで。
ある日の仕事中、後ろの席から暗い叫び声が聞こえてきました。
スーツ男「ああああああ! 今すぐここで死にたい!」
振り返ると、スーツを着たバイトの人が頭を抱えていました。わかる、すげーわかる、と思いました。超共感出来る発言です。僕もずっと、そういうことを叫ぶのを我慢しているのです。
いや……しかしそれにしても、こんなにストレートに自殺願望を大声で叫ぶことが許されているなんて、ゲーム業界ってかなりブラックなんでしょうか……。と思っていると、僕の横にいた別のバイトの人が、更に斜め上をいく発言をしました。
古株バイト「火炎瓶飲めよ!」
やべー! やばすぎる。なんだこの職場は!? 赤軍派の残党なのか? すわ、総括か!?
スーツ男「あー、そうか! じゃあ、そうする!」
と男が嬉しそうに叫んだので、僕は思わず身構えました。
お前は、今ここで焼身自殺するつもりなのか!? せめて……外でやれよ!
震えながらスーツ男の行方を見守ると、何やら熱心にゲーム画面に向き合っています。話が違うじゃん……? と思いながらよく画面を見ると、ゲームのキャラクターが火炎瓶というアイテムを使用して自分にダメージを与え続けていました。そのまま、自殺するキャラクター。ゲームオーバーの表示を見て、なんやゲームの話やったんかい! とやっと理解が追いつきました。
なんやゲームの話やったんかい! とか言ってる場合じゃないんですよ。こっちはもう、自殺したくてしょうがないんです。
なんで君は頭が切れるの?
でもその日以来、僕も会社でおおっぴらに自殺願望を叫ぶようになりました。ちょっとギャグっぽくして、笑いもとれているので、まぁ問題ないでしょう……。
しかし……これは自己啓発セミナーとかに通って、内面とか人格をゼロベースで改造するしかないんだろうか、そんなことを考えたりしながら仕事をしていたら、人事の社員に肩を叩かれました。そして気づけば人事部に呼び出されていました。
クビだろうか?
ぼけーっとした頭でそんなことを考えました。
人事「私の名前覚えてる?」
自分で自分のことをクセモノと思ってそうな男、つまり、いけすかないタイプだ。
僕「大好きな○○さんのこと、忘れるわけないですよ〜」
く・ち・が・く・さ・り・そ・う、と思う。
人事「単刀直入に聞くけど、あなたかなり頭が切れるんだと思うけど、なんで? 立ち居振る舞いとか、会話の切り返しとか、勿論仕事の評判もいいよ。どうしてそんなに頭が切れるんだと思う? 今まで経験したどんな人生経験があなたを切れ者にしたの? 教えてくれないかな?」
生まれつき知能指数が高いからじゃないですか? と言いかけてやめる。一体急になんだ? 無職褒め殺してもいいことないだろ。
でも、ふとピンときて答える。
僕「作家を目指してたんです」
僕の、人とは違う経験なんて本当にそれくらいしかない。毎日、120%の力でぶつかって、それでもうまくいかなかった。朝起きて寝るまで書き続け、また起きてを三年繰り返した。地獄だった。本気でやって、そして、負けた。小説を書く苦しみに比べたら、たいていのことが霞む。
そんな経験を話して、人にわかってもらえるわけがない。自慢にも何にもならないただの恥だ。それでも僕は、簡潔に表面的に話しておくことにした。
僕「……っていう経緯がありまして。これで『お前なんで良い年してフリーターやってんだよ?』って疑問に答えられてたらいいんですけど」
こんな風に人を値踏みしたり、俺たちはわかってる人間同士なんだ、みたいな風に話をしかけてくるのが、面倒臭かった。そういう、わかりやすいひねくれ方が好きになれなかった。
また嫌気がさしてきた
どうにもこうにも、一緒に働く人が好きになれない。これはもう一種の病気です。
そんなこんなで連勤も終わりに近づきました。開発中のゲームが完成しつつあったのです。そしてついにマスターアップ。リーダーがハイタッチを求めてきたので、僕も応じたりしました。職場は祝祭的な気分に包まれていました。盛り上がるみんなを残して、僕はそっと会社を出ました。
明日から、久しぶりの休みです。
連勤を終えた帰り道、薄暗い夜道を歩いてると、正体不明の震えるほどの虚無が僕を襲いました。
そいつは、10代の時の僕の姿をしていました。
「早く死んだ方がいいんじゃないか?」
僕も、そう、思うよ。
「ぬるい職場で働いてるから優越感に浸れるだけで、同年代の男の大多数はお前なんかより年収も遥か上だし仕事も出来るよ」
そうですね。
「飛び降りろよ。今すぐ。綺麗さっぱり、消えて、無になれ」
気づけば僕は、知らないマンションの階段を登っていました。死んだ友人の言葉をなんとなく思い出しました。「だって、生きてる意味とか、ないじゃないですか」知ってるよ、そんなこと。ずっと前から、子供のときから知ってるんだ。
見下ろすと、夜は寒々しく静まり返り、まるで僕が死ぬのを待っているかのようでした。
そして僕は、この感情の正体に気づきました。
休みが、怖い!
休みの日に何をすればいいのかわかりません
どうしたことでしょう……? 一体僕はどうしてしまったのでしょうか? でも、そうなんです。あんなに働きたくなくて仕方がなかったのに、今度は休日が怖くて怖くて仕方ないんです。
たしかに僕は昔から極端な人間でした。先日のフリスクダイエットにしてもそうですが、ずっとひたすら同じことを続けてないと気が済まないタチなんです。
何をしていいのかわからないし、何もしないでいると虚無〜が襲ってくる。休日が続くと鬱病になってしまいそうです。
こんなとき、普通の人はどうやって休日を過ごしてるんでしょうか? セックスでしょうか? でも近場のセフレを呼び出して適当にセックスしたところで、より一層死にたくなるのは目に見えています……。
読書とか映画鑑賞とか、そういう文化的な趣味はダメです。自分が作家になれなかったせいで、何を読んでも何を見ても、憎しみが、溢れ出てしまう。楽しめないんです。
本当に不思議でならないんです。一体、普通の人というのはどうやって休日を過ごしているんでしょうか? どう考えてもわからない……!
ぜひ、ぜひそのへんのところを教えて頂けませんでしょうか?
休みの日が怖くて怖くて仕方がないんです!
よろしくお願いします。
現在の身長体重
身長:172cm
体重 67.4kg(前回から0.8kg太った)
目標体重60kg
現在の貯金額
4万円
目標金額30万円