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国内最大の出会い系サイト「ハピメ」摘発はなぜ? 元運営スタッフ明かすボーダーライン

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 社長らが逮捕された29日には「ハッピーメール」で女性と出会った男性が、ホテルで女性を殴り、現金などが入った財布を奪って逃走した事件が起こっています(ハッピーメールで知り合った男が財布奪う、渋谷のホテル)。この強盗事件が、今回の摘発の引き金になったのかもしれません。

 話を聞いた元出会い系サイト運営スタッフによれば「今回の摘発で風俗業界は喜んでいると思いますよ。世間が考えている以上に風俗業界は女の子のケアに気を使っているから、女の子の管理もしない出会い系サイトに対して憤っている人もいますからね」(同)

 確かに、スタッフが配置されている各種風俗と違い、(業者も存在するものの、基本的には)個人間でやりとりを行う出会い系サイトでのワリキリでは、リスクは全て個人が負うことになります。そのため、前述のような強盗事件が起きる可能性も高まります。女性のケアを行っている風俗店であれば、出会い系サイトに憤る気持ちも理解できなくもありません。

 とはいえ、出会い系サイトを利用する女性たちが、風俗業界に所属すればいい、という話でもないでしょう。前出の鈴木大介や荻上チキの著書にもあるように、出会い系サイトでワリキリを行う女性には、風俗業界で働かない理由を持つ人がいます。例えば、障害を持っており、スタッフと上手にコミュニケーションをとることができない女性。管理されることを嫌う女性。風俗が廃れている地域など様々です。

 また、ワリキリを行う女性の中には、お小遣いを稼ぐ目的の人もいれば、ギリギリの生活をなんとか保つために出会い系サイトを利用する女性もいます。リスクがあるからといって、闇雲に出会い系サイトを潰してしまうことは、「出会い系サイトしかない」人たちを路頭に迷わせる結果を生み出してしまう可能性もあります。

 グレーゾーンとされている領域には、グレーであるからこそ救われているホワイトな部分と、グレーであるために改善されず放置されているブラックな部分の両方があります。偏った一方の論理で、断罪・救済することが、結果的に犠牲者を生むことになるかもしれないと戒める必要があるでしょう。警察はハッピーメールが少女などの売春の温床になっていたとして実態を調べているようですが、出会い系サイトをいっせいに捜査し処罰するなどの極端な結論に至らず、社会背景を踏まえた対策を行うことを願います。また、例えば、スマホで「出会い系」と検索した時に、女性の相談支援を行うNPOが表示されるなどのインフラを整えることが、利用者や利用しようと考えている人を守る武器となるのではないでしょうか?
(門田ゲッツ)

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