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夏の風物詩『an・an』セックス特集、読みました! 独り寝ニスト的感想文

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彼氏がいようといまいと、ビッチだろうと喪女だろうと、どんな女性のもとにも“独り寝”の夜はあります。丸ごと自分だけに使える貴重な時間、ぼやぼや過ごすのはもったいない。オナニー(ONN)、妄想、オトナのオモチャ……明日の、そして未来のエロライフに繋がる“攻め”の独り寝を、独り寝ニスト&バイブコレクターの桃子が提案します。

 Photo by Rory MacLeod from Flickr

Photo by Rory MacLeod from Flickr

 先週の当連載で、今年も『an・an』セックス特集がドドンッと発売されるのを心待ちにしていた私。発売当日の朝は、夏だ、祭りだ! と、ワクワクしながらコンビニに直行しました。毎年、表紙&グラビアで誰が脱いだか、どんなトンデモ・テクが紹介されていたかなどなど、ひとしきり騒がれるので“祭り”というのにふさわしいのです。

 今年の表紙は、Kis-My-Ft2の藤ヶ谷太輔クン。褐色の肌がエキゾチックで素敵~とは思うのですが、正直、私は男のハダカで抜けない派……。抜ける派のみなさんにはONNのオカズとしてじゃんじゃん活用してほしいと思ったのですが、こちらの記事を読むかぎり、ファンほどハァハァするよりもツッコミどころを見つけるのにいそがしい様子。照れ隠しなのでしょうか。

 これまで「お掃除フェラ」「口内発射をされた後は、口から精液を垂らしてみせる」など、恋人同士の愛撫というよりは、風俗店で行われるサービスのようなご奉仕テクを提案してきた同誌。今年はどんな過激テクが紹介されているのかしら、と悪趣味な期待を抱いてページをめくったのですが……あれ? もう一度頭からパラパラと見直したのですが、やっぱり今年はテクニックページがほとんどない!

 そのぶん力が入っていたのが、「一番“感じた”セックス、話します」という読者体験記。8ページにわたり、10人の読者が体験した史上最高の快感が小説仕立てで綴られていますが……た、退屈デス。3人目で早々に飽きてしまいました。女友だちとの恋バナでも、オチのない自慢話を延々聞かされるのって苦痛ですよね。しかも、そのシチュエーションが「ドライブ中眠ってしまい、起きたら薬指に指輪が」とか「彼が海外赴任に。お互い好きなのに別れなければならない最後の夜」とか、本人にとっては盛り上がりMAXでも、他人からすれば限りなくチープ。「カーオーディオのライトだけが光るなか抱き合う」だなんて、昭和的陳腐さにあふれていて、うらやましいとは、ちっとも思えません。

記号のような男たちのことば

 おまけに、「お昼休みに会社を抜け出してラブホでセックス」って……。そりゃスリルあるんでしょう。でも、一社会人としてどうなんでしょ。同特集ではこれまでも、「映画館でONNする」とか「人目につくところでセックス」とか犯罪スレスレの行為を、奔放で魅力的なものとして見せてきました。セックスにおいてときにはモラルを逸脱することもスパイスにはなることは知っています。でも、こういうのってほんとうにステキなの? こういうことをするのが、カッコイイ女なの? 少なくとも私は、こんな人が同じ職場にいたら、男女どちらとも仲良くなれないなぁと思うのです。

 同じく8ページのボリュームが割かれていたのが「愛されるSEX、逃げられるSEX」と題した男性122人へのアンケート。20-30代の男性が「積極的に誘ってくる女と、本気で付き合ったことはない」「男が誘いやすい状況を作ってほしい」「特にHな雰囲気でもないときに、突然舐められると俄然ヤル気に」と好き勝手なことをいってくれています。えッ、舐めるってどこを? どこにしたって、いきなり舐めるって何がどうなってる状況なの? と、いちいちツッコむのもアホらしくなる発言のオンパレードです。

momoco09b

ほんと好き勝手いってくれてる〜。

 人それぞれに主張や好みがあるのはわかりますが、セックスは自分とパートナーとたったふたりで行う、とても個人的な行為。どこの誰かもわからない、記号のような男たちのことばを山ほど見せられても、自分に還元されるものはひとつもないなぁと感じるだけに終わりました

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桃子

オトナのオモチャ約200種を所有し、それらを試しては、使用感をブログにつづるとともに、グッズを使ったラブコミュニケーションの楽しさを発信中。著書『今夜、コレを試します(OL桃子のオモチャ日記)』ブックマン社。

@_momoco_

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