〈幅広い分野の健康・幸せコンテンツをお届けする〉というコンセプトの月刊誌『ゆほびか』(マキノ出版)。かつては〈ちょっと胡散臭い〉レベルの健康ネタが載っていた印象ですが、今やスピリチュアルネタのがメインコンテンツになってきています。
先週末の12月5日には、八ヶ岳UFOコンペンションとゆほびかがタッグを組み「宇宙自然塾」なるすごいタイトルのイベントが行われたようです。〈不食弁護士〉として知られる秋山佳胤(よしたね)氏が宇宙人の食事について語るという告知で、ゆほびか読者とムー民(学研発行のオカルト・ミステリー雑誌『ムー』読者のこと)が混ざり合う濃厚な会場を想像(妄想?)し、ほんの一瞬楽しませていただきました。
イベントのほうはディープな読者が対象であると思われるのでさておきですが、本誌『ゆほびか』のメインターゲットは、30~40代女性です。スピッた健康法を掲載する女性誌というジャンルでは『mar mar magazine(マーマーマガジン)』(エムエムブックス)や『vessy(ベジー)』(キラジェンヌ株式会社)などもありますが(『Trinity』は休刊しちゃいましたね)、そちらの読者がオーガニックコットンの肌着を身につけ有機野菜をコトコト料理し、月の満ち欠けを観察しながら内なる声に耳をすませる、今どきなスピエコ系なら、ゆほびか読者のイメージは紅茶キノコ(別名コンブチャ)を味わいながら手相を検証し、赤富士の絵に開運祈願するような昭和なイメージです。胡散臭い案件をSNSで拡散してくる率が低そうな、平和な感じ!
子宮教のカリスマがそろい踏み!
しかしそんな地味で平和な『ゆほびか』の最新号(1月号)になんと、スピ界の中でもなかなかの異端児である〈子宮教〉が登場しているではありませんか! 子宮教は当連載でも度々ご紹介している物件ですが、実はそのたびに「ゆほびかに取り上げられないんじゃ、まだまだよね~」なんて思っていたのですよ……。子宮教の勢いがいよいよ加速してきたのか、ゆほびかのアンテナがさすがなのか、果たしてどちらなのか。
特集のタイトルは〈セックス幸福学 女性は体内にパワースポットを秘めている!〉です。登場するのは〈ひとり宇宙〉(※マスターベーションのこと)推しの劒持奈央(けんもつ・なお)氏、〈子宮の声こそ魂の欲求!〉と謳う子宮委員長・はる夫妻、そして性を神秘とロマンでデコって語ることに定評のある夏目祭子氏です。それぞれの持論が各2ページでコンパクトにまとめられてあるので、子宮教の概要をつかむのにもってこいの特集です。
注目すべきはどの布教者も、性のパワーを受け取るとお金もがっちり引き寄せる! と謳うゲスっぷりが、ゆほびかにおいても健在であること。もちろんお金も性も生きていく上には重要なことですが、こうも堂々と自分語りとともにオーガズム! 子宮! 膣! そして成功! と語られると、スピのオブラートで包んだ端に、即物的な価値観が透けて見えるような……。
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