
東出昌大さんに似てると思うの(『POPEYE 2015年 08 月号』マガジンハウス
NTTドコモが12月1日より、「dポイント」のサービスを開始、それに合わせて同日より、新CMが公開されている。そのCMに出演する中条あやみ(18)は、来年の大ブレイクを確実視される、期待の新人女優だ。そのCMで中条は、「ポインコ」というインコのキャラクターに囲まれ、「窓を開けておはよう~」「声を出して笑おう~」「好きな街に出掛けよう~」「気付けば、ほら幸せ~」と歌っている。
中条は2011年、ファッション雑誌「Seventeen」(集英社)のオーディション「ミスセブンティーン」でグランプリに選ばれて芸能界入りし、同誌の専属モデルとしてキャリアをスタートさせた。翌12年の「東京ガールズコレクション2012 s/s」に初参加し、本格的にモデルデビュー。一方、同年7月期の連続ドラマ『黒の女教師』(TBS系)で女優としての第一歩を踏み、14年9月公開のホラー作品『劇場版 零~ゼロ~』では映画初出演にして、いきなり主演に抜擢されている。
170cmの長身にさらさらロングヘア、父親がイギリス人・母が日本人のハーフで、透明感ある肌質や茶色い瞳が印象的な美少女だ。これまでに「ユニクロ」「JR西日本」「任天堂」「大塚製薬ポカリスエット」といった大手企業CMに多数起用されており、イメージは“清楚キャラ”。モデル活動も継続してこなしながら、女優業では来年公開の映画『セトウツミ』『ライチ☆光クラブ』と2本の映画でヒロインを務めており、2016年は間違いなく飛躍の年になりそうだ。
そんな中条の所属事務所は、彼女に大きな期待をかけているという。
彼女の所属するテンカラットの、かつてのエースは香里奈(31)だった。同じモデル兼女優ということで、中条も香里奈を“憧れの先輩”と位置付けていたようだ。ところが香里奈は昨年3月、写真週刊誌にプライベートの大股開きベッド写真が流出し、一時休業せざるを得ない状況に追い込まれた。稼ぎ頭の仕事がなくなったテンカラットでは、慌てて田中麗奈(35)の猛プッシュを始めたものの、連ドラ『美しき罠~残花繚乱~』(TBS系/今年1月期)、スペシャルドラマ『赤と黒のゲキジョー 三面記事の女たち -愛の巣‐』(今年2月20日放送)などの田中主演作品は、いずれも視聴率1ケタ台で惨敗。脇役ならともかく、主役としては、“役不足”であることを露呈していた。
さらに元エースの香里奈は今クールの連ドラ『結婚式の前日に』(TBS系)で約2年ぶりにドラマ復帰を果たし主演を務めているが、視聴率は5%前後で低迷、こちらも主演女優としては非常に厳しい状況だ。写真流出によるイメージダウンから未だ回復できていないことが明らかになっただけに、当面まともなオファーは届きそうにないという。
俳優では高良健吾(28)や井浦新(41)がいるが、そうなると、テンカラットとしては“香里奈の後継者”がなんとしてもほしいところ――そこで期待をかけられているのが、すでにCMガールとしてはブレイク済みの中条というわけだ。しかし仮にU-20世代に限定しても、すでに売れっ子の広瀬すず(17)や松岡茉優(20)、土屋太鳳(20)、女子ウケの良い小松菜奈(19)、森川葵(20)、芳根京子(18)など人材は豊富。その上の世代となればさらに演技力と美貌を兼ね備えた85年世代が待ち受けており、ライバルは数えきれない。可愛いだけでトップ女優になれるわけではないのはもちろんだが、この中で「テレビドラマの主演女優」を目指すとなると、厳しさは明らかだ。中条は事務所にとっての救世主になることができるのだろうか。
(文=森田英雄)