インタビュー

ハタチで痴漢風俗にハマった男「お金がないのに、通うのを辞められないんです」

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精神科医も風俗話はスルー

名前のない男たち

落ち込んでいるとはいえ、ときおり見せる屈託のない笑顔が魅力的なダイ。留年が決まり
、学費のことで家族に負担をかけると思うと、大学へ通う気力も失せているという

――ネガティブな気分で、風俗に行くの?

ダイ「もっと昔は『性欲を発散したい』とか、『今日は調子がいいぞ』って時に行ってたような気がするんですよね。でも最近は、なんていうんだろう……、落ち込んでる時ですね。ギャンブルで負けた時以外でも、友達や家族とうまくいかなかったとか、とにかく、言葉にできない気分の時。気持ちが沈んでるというか、自分でもよくわかんないさみしさがある時。そういうタイミングで行くようになりました」

――でもお金が続かなくて、もう風俗通いを辞めたいと?

ダイ「はい。お金もそうだし、あと、やっぱり自分のストレスをギャンブルや風俗で発散するのって、なんかヤバいよなって気がつき始めて……。空しい気持ちとか、性やギャンブル以外で向き合えないかなって……。僕、ギャンブルや風俗しなかった日の日数を、ノートに日記みたいにつけてるんです。書くと少し落ち着くので」

――すごい。自分を客観的に見れてるよ。今日はどうして、そんなに暗い顔をしてたの?

ダイ「じつは12日前に、またチャイナエステに行っちゃったんですよ。その前まで、30日間、風俗行かなかったんです。でも『1カ月辞められた!』って思った瞬間、気がゆるんだのかな。たまたま、街で看板を見て、本当に何も考えずに入っちゃったんです」

――そうだったのか。

ダイ「僕、精神科にも相談したんですよ。だけどお医者さんは、ギャンブル癖のほうにはいろいろ言ってくれるんですけど、風俗のほうは、何にもコメントしてくれなくて……。男性のお医者さんも、女性のお医者さんも、あまり触れてこない。完全にスルーされてます。でも僕は、もうホントに風俗を完璧に辞めたいんです」

ふぅー、とダイは静かにため息をついた。

ダイは自分を「性依存」ではないかと疑い、いろんな依存症の人たちが集まる自助グループにも顔を出してみたものの、自分の体験を話す気持ちになれなかったという。こんなに(男向けの)性サービスが充実している国なのに、風俗のことで苦しんでいるダイの悩みは、カウンセリングルームでも自助グループでも、行き場がないようだった。

今年は、ダイにとって何か進展があればいいのだが。

「また報告しますね」。

そう言って、ダイは上野の雑踏にまぎれるように去っていった。

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鈴木えみ

元デリヘル嬢(副業型、関東近郊の中級店)。写真はデリヘル勤務当時の“パネル”として使用していたもの。フリーター、時々ライター。

twitter:@emi_sws