ユニクロ、GU、母からのお下がり、リサイクルショップで見付けた100円のワンピース、10年くらい着ているmoussyのシャツ。ここ数年、洋服への拘りがなくなりました♡ シングルマザー女子大生・上原由佳子です。
上原は中学1年生の頃、『KERA』(モール・オブ・ティーヴィー)と『Zipper』(祥伝社)を愛読していました。通っていた公立中学では眉毛を剃ったり髪の毛を染めたりする子は、生徒・教員の間で「ヤンキーグループ」に振り分けられていたので、当時、青文字系を目指していた上原も「ヤンキーグループ」の一員に。でも私立中学の友人と会うと、ちゃんと青文字系にカテゴライズされます。なんでだろう? と思っていたときにある事件が起きました。
「眉毛を剃るなんて生意気だ」「敬語を使え」ある日、上原は、先輩方から呼び出されお説教されていました。上原は丁寧に「眉毛を剃るのはヤンキー以外でも流行っていて、それは青文字系っていうんですよ」「敬語は、まだ教わっていないから使えないんです」と説明したのに、先輩方は大激怒……。意味も分からないままとにかく怒鳴られまくりでテンションだだ下がりの帰り道、上原は思いました。
「みんな同じ空の下で繋がっているって言うけれど、決して交わらない世界があって、どこかに透明な境界線があるんだ。だって、同じ小学校出身で、そんなに家が遠くない私立中学の友人の世界と私の世界があまりにも違いすぎるんだもん……」
あれから10数年、27歳になった今でも、ふとした瞬間に透明な境界線の存在を感じることがあります。
元夫との再会が怖い
上原は、離婚してからずっと、どうやって元夫と距離を置くのか、ばかり考えてきました。
結婚生活が辛く苦しかった人の中には、離婚後に住む場所を変えるなどして元夫と距離を取ろうとする人は少なからずいるのではないでしょうか? 例えば、県外に行くとか実家の近くに引っ越すとか。そうやって、目に見える形で距離をとって、安心して暮らせる場所を探し続けるものだと思います。
でも物理的な距離を取るだけでは意味がないこともあります。結婚前から似たような価値観を持っているコミュニティに属していたら、離婚後もそのコミュニティの周辺にいれば、簡単に元夫に遭遇してしまいます。同じ趣味で知り合った相手が、付き合ってみたらとんでもないDV人間で、なんとか別れられたのはよかったものの、趣味が同じせいですぐに見つけられてしまう、みたいな。
どんなに物理的な距離が遠くても、コミュニティが同じなら繋がってしまう可能性がある。そんな場合、安心して暮らせる場所を探すのは、とっても難しいことだと思います。「趣味を変えればいいじゃん」って? なぜ離婚した相手のために趣味を変えなくちゃいけないんでしょうか。それに、もともと好きだったものを捨てるのは辛いことです。同じ趣味の友達も、さよならをしなくちゃいけなくなります。趣味ではなくて、生きるために所属しなくてはいけないコミュニティならなおさら辛いことだと思います。