ある会社の社員寮に住んでいたとき、寮の男子社員との飲み会が強制的に行われた。セクハラというよりは「レイプ」レベルの酷い状況が起きた。自分は気が強いので、相手を殴ったり蹴ったりして逃げた。翌日、全然悪いと思っていないようでしつこく言い寄られ怖かった。会社に報告したが改善されず、酔うと私の部屋の前で卑猥な言葉を叫ばれることが続いた。最後は「知らない酔っ払いが暴れている」と警察に通報。相手は豚箱行き。さすがに会社でも問題になったが、相手には余計に逆恨みされた。私は実家に逃げた。そしてそのまま退社。意見というより単なる体験談ですが、20年前の日本の会社はこんなものでした。
レイプ、ストーカー、脅迫……これはもはや“セクハラ”という言葉には収まらないケースです。私は今23歳なので、20年前の日本の会社の風潮を知らないのですが、ここまでひどかったのでしょうか……。
最後に、重要な視点のコメントを紹介させていただきます。
セクハラは加害者と被害者二人だけのことではなくて、そこで見ている人の問題でもあると思う。触るだけでなく、発言や視線で嫌な思いをさせられる事があり、加害者が嫌な空気を作っている場合、たいてい周囲の人達も微妙な気分になっていることが多い気がする。
男性中心の社会では周囲にいる人達がだんまりになってしまうのも当然だから、私は自分が疲れるのも仕方ないと思って加害者に怒る。セクハラする人は、「ちょっとちょっかい出したい」と「この女とやりたい」と「退屈だ」と「話すきっかけが必要だ」の区別がついていないことも多いんで、「どれですか? (答えを聞いたら)じゃあ、もっと波風立てない方法でアプローチしたほうがわかりやすいし、敵も作らないんじゃないですか」と上に立って、ちゃんと自分や周囲が嫌な気持ちになっていることを伝えます。これは自分が“周囲の人”の立場のときでも言うようにしています。大抵のセクハラ人間たちはたじろいで謝ってくるけど、ちゃんと考えてくださいね、と念を押しておく。
セクハラする人はコミュニケーション経験の乏しい人が多いせいか、構われるのが嬉しいようで、以後過剰に懐いてくる人が多くて気持ち悪いけど、傍観者でしかいられなかった女性などに加害者に注意したことをよく感謝されるので、私は本人からの謝罪より、周りとのきずなづくりというか、セクハラしない・させない環境づくりが大切と思ってます。引っかかることがあったら、時間を使って自分で考えることをするのが一番。
セクハラされる前に、セクハラしない・させない環境を作る。もしセクハラが起きてしまったときは、加害者にきちんと注意する。本当にその通りです。この方法は、職場で起こるあらゆるハラスメントや人間関係のトラブルに有効ですね。自分が上の立場になるときはもちろん、部下として働く際にも心に留めておきたいです。
男性に恨まれるのってすごく怖いので、注意するのは勇気とエネルギーがいりそうです。コメントを下さった方も、“自分が疲れるのも仕方ない”と感じながら加害者に注意してらっしゃいます。この方の勇気には本当に感服します。でも、注意しなくてはならない状況になる前に、防ぎたいですよね。
“セクハラ 防止”でググると、「セクハラ防止ガイドライン」のような情報がたくさん出てきて、「こういう言動はセクハラですよ」といった注意書きや「ヌードポスターのようなものは貼らないようにしましょう」といった決まりごとが羅列されていますが、こういったものを職場で共有するよりも、コメントを下さった方がおっしゃる“きずなづくり”や“引っかかることがあったら、時間を使って自分で考える”といった行動の方が本質的解決に繋がるような気がします。もちろん、ガイドラインも効果はあると思いますが。
以上、アンケートの結果と寄せられたコメントを紹介させていただきました。重ね重ねではありますが、回答して下さった方々、本当にありがとうございました。セクハラをはじめ、さまざまな人間関係のトラブルをなくすことはなかなか難しいですが、諦めず考えてきたいですね。
(北原窓香)