インタビュー前編はコチラ
マンガ家であり、アーティストでもある、ろくでなし子さん。前編では小陰唇整形に至った経緯と、周りの反応について聞きました。引き続き、その「キレイさっぱりビラビラのなくなったまんこ」を使ったアート作品「デコまん」制作と、現在取り組み中のプロジェクトについて伺っていきます!
「デコまん」への非難で、まんこのタブー視に疑問を抱いた
――手術後に「デコまん」作りを始めたのは、どういった理由で?
ろ もともと私はマンガ家なので、「デコまん」を作ったのもマンガのネタ作りのためです(キッパリ)。せっかく整形したし、ネタとして、まんこの型を取ってみようと思い立って。単に型を取るだけなら美大の学生さんがよくやっていると聞いたので、それじゃおもしろくないから、デコ電みたいにしてみたんです。 当時はそんな本気でやるつもりはなかったんですよ。ただ、デコまんの写真をTwitterにアップしたら「クッソワロタww」みたいな反応があって。で、調子に乗ってジオラマを載せたりしだして、そのうちに「ラブピースクラブ」の北原みのりさんから「ワークショップやらない?」と声をかけられたりして。その時は、「こんなことが商売になるんだ(笑)」と思いましたね。
――手術をしたり、「デコまん」を作ってみて、自分のまんこに愛着がわいたりしました?
ろ うーん、いまだにそんなに。でも、作品にしてみたら評価してくれる人もいたけど、それ以上に非難も多くて違和感を覚えたんです。「そこまで嫌うものなの?」って。 自分のまんこを好きで仕方ない人っていないじゃないですか。でも、自分についているものなのに、まるでないものみたいに扱ったり、知識がなかったり、汚いものだと思ったり、嫌う以前に存在しないものとして無視したり……。このままじゃ「まんこがかわいそう」って思ったんです。 たとえば、性器周りの皮膚って、顔よりも弱いんですよ。毛穴が顔の数倍あって吸収しやすいから、顔用の化粧水であっても塗っちゃいけないんですよね。私も、皮膚科で処方された顔用の美白の薬でさえ、塗ったらかぶれましたもん。
――毛穴の数が数倍! そんな知識はなかったです。しかし、男性が男性器を愛するほど、女性は女性器を愛していない……そのことは事実かもしれません。
ろ 男性がちんこを「息子」って呼ぶような感覚は、まったくないですよね。呼称もないし。膣や子宮はOKなのに、外側の部分は言っちゃいけないことみたいになってて、完全に分断されている。 男性と違って、女性って見ようと思わなければ、まんこを見ないで生活できるじゃないですか。例えば、まんこがおへそのあたりとかにあったら、愛着も持てると思うんですが……。 あと、幼稚園児は「うんこ」「ちんこ」てよく言いますけど、「まんこ」はワードとして入らない。親からの刷り込みもあって、幼いころから「触れてはいけない汚いもの」「いじっちゃいけないもの」というように、タブーだと思い込むんでしょうね。私だって「このビラビラなんだろう」と思っていても、聞いちゃいけない空気を感じていましたし。本来は、不潔にしていたらいけない場所だから、触れちゃいけない場所なわけがないんですけど……ね。
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