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風俗店の体験入店を辞退したら「法的処置も考える」と脅された、とある風俗嬢の話

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Photo by Sudhamshu Hebbar from Flickr

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私が風俗業界に初めて足を踏み入れたのは約4年前でした。それからいくつかのお店を転々として、今は「このお店を風俗歴最後のお店にしよう」と思い、安定して働いているところです。

初めて勤めたのはオナクラ店、その後はずっと性的サービスありのマッサージ店で勤めてきました。比較的経営のしっかりした、女性を大切にしてくれるお店を選んできましたし、業種も女性が受け身になることのないソフトサービスに従事してきたので、私自身そこまで大きなトラブルや怖い目に遭ったことはありません。しかし、昼職をしていれば経験しなかったであろうこと、感じなかったことは沢山あるので、これから少しずつ、一風俗嬢の目線で業界の裏話を書いていけたらと思っています。

体験入店を辞退したら賠償金を迫られた

もう一昨年の話ですが、体験入店を辞退したお店に賠償金を迫られたことがありました。立派なトラブルですね(笑)。

当時私は、勤めていたお店の近くに親しい知人が引っ越してきたことを知り、その知人に風俗勤めがバレることを恐れて、違うエリアのお店を探していました。いくつか面接を受けましたが、なかなか自分にぴったり合うお店が見つからず、早くお店を決めたいという焦りから、半ば勢いでとあるお店に体験入店することを決めました。

給料などの条件が良く、お店も流行っているようだったので、面接の翌々日に体験入店することですぐに話がまとまりました。

半ば勢いで、と書いたのは、面接中に「このお店で本当に働いていけるのかな」と不安を抱いたにもかかわらず、面接担当者の「あなたの勤務条件なら一日◯万円は稼げると思います」という言葉に心が揺らぎ、体験入店を決めてしまったからでした。

私が抱いた不安の要因は、それまで私がNGとしてきたお客さんが女性の身体に触れる行為がOKとされていたこと、「遅刻◯分につき◯千円、当日欠勤◯万円、無断欠勤◯万円」というふうに細かい罰金規定があったこと、HPに載せるプロフィール写真について「顔全体にモザイクを掛けて欲しい」と要望したら、「口元か目元はどちらか一方は出したほうがいい」と担当者にしつこく迫られたことなどでした。

一見優しそうだけど何となく威圧感を感じる担当者の口調に気後れしながらも、結局は提示された収入に飛びついてしまったのです。

そうして帰路につき、担当者から来た「明後日、ぜひ宜しくお願いいたします」というメールにも、「はい、こちらこそ宜しくお願いいたします」とすぐに返事をしましたが、次第に面接時に感じた不安が胸の中に大きく広がっていき、そのまま一晩悶々と考え続けてしまいました。

結局翌日になって、「帰宅してからもう一度よく考えたんですが、プレイ内容をこなせる自信がないので明日の体験入店は辞退させてください」と担当者に断りの連絡を入れました。

担当者には、「残念ですが、仕方ないですね。上の者にも報告いたしますので、また連絡いたします」と言われ、私としてはもう一件落着だと思い、その後掛かって来た電話には出ませんでした。

その後「良ければもう一度お話したいので、お電話出来ませんか?」というメールも来ましたが、もう決心が変わることはないし、引き留められても面倒だと思い、そのまま返信せずにいました。

そしてそれから数日経った頃に、この担当者からまたメールが来ていたので開いてみたら、「予約のお客様のキャンセル対応などでこちらに金銭的な被害が出ております。メールでのやり取りで採用契約の意思表示とみなされますので、このままご連絡いただけないままですと法的処置も考えざるを得ません。一度連絡いただけますでしょうか?」という内容だったのです。

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