そして子供はというと
新しい家は前の家からも近く、引っ越し作業は私の友達に手伝ってもらって台車+徒歩で行えました。引っ越し作業中からはしゃぎ、新しい家の空間が出来てゆくのも一緒に見てきた子供は、なかなかに楽しそうで安心しました。部屋が狭いので暖房はすぐ効くし、風呂上りが寒くないのは、小さい人を育てるには、普通に助かりますね。とはいえ、環境の変化は小さい人にとっては結構な変化……と心配もしていましたが、もともと出張に連れて行っては仕事場近くの一時保育へ預けるということを度々していたおかげもあってか、環境適応能力は流石のものでした。また、週に1度程度は前の家にも遊びに行っており、姉とはお互い子守を頼み合う関係が続いているので、急激な変化を感じさせることにはならず、よかったのだと思います。
めでたしめでたし。と思いきや…
はい、引っ越しは無事完了して、一件落着。と思ったのも束の間……。そうなんです、ここからが大変でした。というのも、私は、「前の家」に住んでいるときは、所得制限にかからないひとり親だったので「児童扶養手当」の受給資格が得られるはずでしたが、同居人がいるということで、役所に申請しても通りませんでした。
姉と姉のパートナー男性には、子供も生まれており事実上は子供と3人、家族のような生活をしていますが、入籍をしていません。いわゆる事実婚と言えると思います。彼らは事実上「カップル」であり、妹の私と姉のパートナーは「義妹と義兄のような」関係(というか、まあむしろ友達くらいの気持ち)ですが、行政ではこれを認めず、私は【未婚の異性[姉のパートナー]と同居関係にある子持ち女性】とみなされました。ゆえに、「児童扶養手当」の受給資格がないとされていたのです。もちろん私と姉のパートナーに特別な関係などないし、生計を同じくしていないし、当然金銭的な援助を受けているわけでもないのに、「同居男性がいるからひとり親じゃない」ということにされていました。同じ住所に住む血のつながらない男女は「事実婚」ということにされます。
これは、このご時世では驚くべき考え方ですが、実は行政だけではなく個人でもたまにいらっしゃるんです(実際に何人かお会いしたことがあります)、「男と女、ひとつ屋根の下(や、二人っきりになる)なんて、フシダラな!」という……その手の妄想は大体、留まるところを知りません……。私はそうした妄想に遭遇するたび、むしろ、あなたは異性と二人きりになると何か起こしちゃう人なのかな? そんなに何か起こって欲しいのかな? 疑問の連続です……。
少し話がそれましたが、ちなみに念のため言っておくと、この件(私が[姉のパートナー]と事実婚とみなされるおかげで手当が受給できないこと)について、私が姉たち家族に対しての不満を持つということは一切ありません。そもそもそんな(他人の生き方に対して物を言う)権利もありませんし、パートナーと籍を入れずに関係づくりをしている点は、どちらかというと共感に近い感情や応援するような気持ちで、ポジティブに受け取っています。
さて、そして今回引越しをして母と子の二人暮らしになったことで、あらためて「児童扶養手当」の受給申請をしに役所へ行きました。引っ越し前も、引っ越し後も、窓口へ相談にいったのですが、それがまぁ、ちょっと驚きの書面を書かされることとなり、さすがに「一体全体、この国(というか、行政というのは)どうなっているんだ!?」とびっくりしました。ということで次回、詳しく丁寧にそのお話をできたらと思います。「お前みたいな自分勝手なシングルマザーが手当なんか受けるなよー」なーんてお声も聞こえてきそうですが、ひとり親のもとで養育される児童のためにと、国が考え出した手当ですから、どんな父母の子であるかに関わらず受ける権利があるものですよね。
というわけで、次回、「児童扶養手当編」お楽しみに。