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AV出演=人生崩壊?「紗倉まなの知るAV業界」と「さまざまな偏見」への葛藤

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メロン熊?

 先月『最低。』(KADOKAWA)という名の小説を出版させていただきました。もしかしたらご存知の方もいらっしゃるかもしれませんが、AV女優として生きる女性四人を題材に書かせていただいたんです。タイトルの“最低。”や、帯に書かれた“そこに落ちたらもう戻れない”というキャッチコピーを見て、普段仕事を全肯定するような呟きを発信している私は、ちょっとした批判や攻撃もやはり受けてしまうわけで……。

 AVしかり書籍しかり、ジャンルは違えど、どんな作品においても賛否両論いただけてこそですが、やはり人って潜在的に褒められる快感を他人に求めてしまっている部分もあるのだなと感じたりもします。「否」のコメントを見ると、反論を含めた自分の意見を少し強気に言いたくなってしまうことがあるのです。

 この際、ネットでよく言われる“意識高い系AV女優”“かたいことばっかり言われると抜けなくなる”“肉便器(もしくは娼婦)は黙ってろ”だとか(結構とんでもないこと言われてんな……)そういう皮肉めいた意見は少し置いとかせていただきまして。もちろん「それはそう思うよね」と納得できるものに関してはきちんと飲み込ませていただいているのですが、AV女優につきまとう偏見】について、少し真面目に語ってみたいと思います。

普通の会社で、普通の人が、真面目に働いています

 AV業界には、身ぐるみをはがされ売り飛ばされるといったネガティブなイメージが、いつまでも“しこり”として残り続けているのだなと感じることがあります。先日「AV出演を強要される女性が相次いでいる」と人権団体・ヒューマンライツ・ナウが調査報告書を公表した、というニュースが流れていましたよね。私が言うのもなんですけど、正直、もうそれって相当昔の話なのだと思っていました……。そういうあくどい事務所も隠れているようですが、“私に見えているAV業界”では、騙されたり陥れられたりなど、お仕事によって「人生が終わる」なんてことはないのです。

 以下は“私に見えているAV業界”に限った話ですが、事務所と女優さんの相性が悪かったりすることもあるでしょう。双方の志のベクトルが全然違う向きだったり、そんな相違のせいで関係がこじれてしまったり、事務所のあまりよくない待遇に不満を感じて移籍する女優さんの話も聞きます。でもそれって、仕事、友達、恋愛、何においても対人関係がある限り、一生悩むことだと思うんです。私の知っているAVプロダクションは、普通の会社として運営していたり、女優さんをきちんとケアしています。AV業界のすべてが悪徳なわけではないし、多くの方が真面目に働いているんです。

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紗倉まな

高等専門学校の土木科出身。18歳の誕生日の翌日に事務所に応募し、所属が決定。2011年にイメージビデオデビュー、翌年2月にAVデビューするや否や人気沸騰! SOD大賞2012では最優秀女優賞、優秀女優賞、最優秀セル作品賞、最優秀ノンパッケージ作品賞などなどを総なめで6冠を達成する。『ゴッドタン』キス我慢選手権でも「かわいすぎる」と話題☆

紗倉まなの工場萌え日記