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「育児と就業を両立する女性の割合」ワースト勢が揃う関東圏…残念な県は残念なまま? 女性活躍推進法チェック【関東ブロック】

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「女性がどんどん主役になる。」by 男性 の神奈川県

さぁ、ついに来ました、神奈川県。今回の記事を執筆するに至ったきっかけは神奈川県でした。神奈川県は、「女性が、どんどん主役になる。」と言うキャッチコピーを掲げた特設サイトを作りながらも、そこに出てくる人物は全員男性。思わず笑ってしまいます。応援団のメンバーは、神奈川県知事や県内の企業の経営者が名乗りを上げています。

改めて他の県と比較してみても、ここまで突っ込みどころ満載なのは神奈川県だけでしょう。神奈川県は育児をしながら就業している女性の割合が、全国で最も低い県ということも、関係しているかもしれません。

例の「かながわ女性の応援団」のサイトを見てみますと、県内の企業で活躍されている女性のインタビューが掲載されています。しかし、その数はわずか11名のみ。実はこの11名は、応援団になっている企業10社と神奈川県庁で働いている女性。これではまるで、「かながわ女性の応援団」になっている企業の宣伝サイトのようです。さらに、サイト内の情報の位置も突っ込みどころ満載です。Webサイトでは、上に行くほど重要な情報を掲載するのが一般的ですが、「かながわ女性の応援団」では、

・トップ画像
・応援団員になっている方の紹介
・応援団員の行動指針
・アドバイザーからのメッセージ
・企業内で活躍する女性のインタビュー

という順番になっています。女性が主役の取り組みですので、女性のインタビューを一番上に持っていくべきでは? と思いますが、どうやらこのサイトでは、男性メンバーの紹介の方が重要度が高いようです。応援団になっている方を持ち上げるサイトのようにしか見えてこなくなってしまいました……。なお、「10社以外の企業が、かながわ女性の応援団に入ることはできるのかな?」と疑問に思いましたが、その方法は明記されていませんでした。他の県では、県が積極的に応援企業を募っていますが、神奈川県はまるで10社以外は取り上げないように見えてしまいます。

このサイトの他には、女性が開発に貢献した商品やサービスに対し、「神奈川なでしこブランド」と認定する事業や女性を対象とした無料キャリアカウンセリングの実施、企業の経営者や管理職を対象としたセミナーの実施なども行なっていますが、応援団のサイトのダメージは取り戻せていません。

なお神奈川県は「あえて男性」のみの応援団を今後も続けていく方針のようです。「男性の意識変革」を意識したとのことですが、女性のニーズを伝えるためには女性メンバーが必要なのではないでしょうか? 神奈川県のサイトをみても、積極的な動きはほとんどみられません。育児と就業を両立している女性の割合が全国でワースト1位の神奈川県。ぜひ汚名返上していただきたいものです。

【神奈川県】
総合評価  △
女性目線  ×
お役立ち度 ○
デザイン性 ○

・コメント
かえって女性を敵に回してしまうような取り組みです。この事業を進めた職員の中にも、女性の方はいなかったのでしょうか……。

残念な県は残念なまま?

以上、今回の記事では関東ブロックの取り組みを見てきました。個人的に印象的だった取り組みは、県のお金で海外に視察に行ける茨城県の「ハーモニーフライト」です。東京都は日本No.1の自治体だけに、他の県に引けをとらない素晴らしい取り組みがあるものと期待していましたが、先進的なものは見受けられませんでした。一方で、群馬県は行なっている事業自体は地味ですが、県内の大学生や企業からの協力を得ている様子が好印象でした。

関東ブロックの中には、育児をしながら就業している女性の割合が全国で最も低い神奈川県、3位の埼玉県、4位の千葉県が属しています。残念ながら、3県全て、高評価できるほどの取り組みは行なっていませんでした。千葉県に至っては、ほぼ何もやっていないような状況ですし、神奈川県はやればやるほど逆効果なのでは? と思ってしまうような取り組みも見られました。

本来であれば、女性が活躍できる環境づくりが遅れている県こそ、女性活躍推進法をきっかけに前向きな取り組みを行なって欲しいところですが、実情はその逆のようです。もしかすると、女性の就業率が高く、すでに女性が活躍できる環境が整っている県ほど、女性活躍推進法への理解が進み、より積極的に様々な取り組みを行なっているのかもしれません。そう考えると、すでに女性が活躍している県はより活躍できる県になっていき、女性への理解が進んでいない県は何も変わらない、と2極化が広がっていくのでは……と心配になってしまいました。
(増沢諒)

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