連載

無職、生活と夢を両立させるマルチタスク人間を目指す

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書けない作家志望

そもそも、社会人っていつ小説を書けばいいんでしょうか?

いや、わかります。終業後ですよね? でも考えてもみて下さい。

当時、平日だと、忙しくないときで、僕は大体19時~21時まで残業していることが多かったです。僕自身は、これは別に遅くも早くもない、わりと普通の残業時間だと感じていました。とはいえ残業するくらいなので、ある程度仕事には追われていて、会社を出る頃には頭は疲れています。例えば19時に仕事が終わるとしましょう。それから、晩飯を食べます。時間が惜しいので牛丼で済ませるとして。なんだかんだ、帰宅するのは終業から1時間半後くらいになります。汗をかいているので、風呂に入ります。それだけで、どれだけ早くても21時くらいにはなってしまっています。

ここから気合いを入れて何か書こう、というのが難しかったのです。

大体、文章を書くとなると、パソコンに向かわなくてはなりません。パソコンに向かう以上、椅子に座ることになります。しかし、朝の9時から19時までずっと座り続けて仕事をしてきたので、既に体が結構痛いです。肩は凝ってるし足はだるいし腰は痛い。しかし、痛いのかゆいの言ってるのは根性がないからだ、と思い直し、というわけでとりあえずパソコンの前に向かいます。すると「目が痛い」と思い始めます。なんせ一日中エクセルと睨めっこ、眼精疲労はピークに達しています。とにかく、全身が、パソコンに向かうことを拒否しています。眠くてだるくてしょうがないです。本当はビールでも飲んでごろんと横になってテレビとか見たり漫画でも読みたい。

そもそも僕は今日帰るときにちゃんと取引先にメール入れたんだっけ? 忘れたような気もする。不安だ。というか小説なんか書いてる僕はイタいんじゃないのか? 実社会で一体何の役に立つんだ? 惚れた腫れたの、死ぬの生きるの、馬鹿馬鹿しい。それよりボーナス出たしAmazonでなんか買おう。ビール買いに行ってタバコでも吸おう。いやいや。今は貴重な時間なんだ。小説を書かないと。しかし、この無職の主人公、こいつは一体、何をそんなに悩んでるんだ? なんだ? 人生の意味? ご託はいいから働けよ! こっちは毎日毎日うだつのあがらない仕事ばっかりしてすり減ってんだよ! お前に僕の気持ちがわかるのか! 殴るぞ!

大体、そんなことを考えてるうちに、二時間とか三時間とかあっという間に過ぎていきます。肝心の小説は一行も書けない、そんな日々でした。

休日にしたって、平日の睡眠不足と疲れが抜けなくて、昼過ぎまで寝ている、そこから溜まった洗濯物を片付けて、掃除して、なんてしていたらあっという間に夕方です。

これは、家で書こうとするから書けないんじゃないだろうか? そう思った僕は、生活リズムを変えてみることにしました。小説家の朝井リョウさんが会社勤めをしていた頃、出勤前に喫茶店で小説を書いている、というのを真似しようと思ったのです。早速、スタバでドヤろうと考えて、十万出してMacBookAirを買いました。

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奥山村人

1987年生まれ。京都在住。口癖は「死にたい」で、よく人から言われる言葉は「いつ死ぬの?」。

@dame_murahito

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