風俗歴がもたらす後ろめたさ
一応自分の今後の身の振り方を決めたことで、絶望的な気持ちになることもなくなったが、この先ずっと、「風俗で働いた」という後ろめたさが残るのだと思う。私は、今もこれからも、出来ることなら風俗歴を明かさないで生きていきたいと思っている。
今更友人に話す勇気もないし、周りから白い目や好奇の目で見られることに耐えられないと思うからだ。親しい友人たちなら、打ち明けてもきっと離れていかずにそばにいてくれると思うけど、そんな保証はないし、やっぱり知られるのは怖い。
そして、いつか結婚したいと思えるくらい大切な人に出会えたときのことを考えると、今から暗い気持ちになる。
そのとき私は相手に打ち明けるべきかどうか悩むだろうし、隠し通すにしても、ずっと後ろめたい気持ちを背負っていかなければならなくなる。
もし仮に打ち明けて相手が離れていったとしたら、私は風俗で働いたことを心底後悔すると思う。
それで離れていく人なら元から一緒になる運命じゃなかった人だということかもしれないけど、もし風俗で働いてさえいなかったらこんな杞憂もないのかと思うと、何とも言えない気持ちになる……。
そして、今後やはり職歴のことで苦労すると思う。
この数年間のことをどう履歴書に書けばいいのか分からないし、隠したままにするとしても、やはり後ろめたさがつきまとうだろう。そして、バレないか不安でい続けなければならなくなる。
風俗歴を後ろめたいことだと思わずに胸を張って生きていける強さが私にあればいいのだけど、ただぼんやりと贅沢をして過ごしただけの数年間のことを思うと、そんなこと出来ない。その資格は私にはないと思う。
最初から夢を叶えるために努力していればよかった。贅沢なんかにお金を使うんじゃなかった。ダラダラ続けるくらいならもっと早く辞めておくべきだった。風俗の仕事、するべきじゃなかった……。後悔は次から次へと押し寄せてくるし、これからも私は苦しみ続けるんだと思う。
風俗嬢は早く稼いで早く辞めたほうがいいと思う理由
もし私の風俗歴が役に立つことがあるとすれば、私と同じように、風俗で働かざるをえない緊急の理由があって働いているわけでもなく、ただ贅沢をして毎日虚しい気持ちで過ごしている子がいるのなら、この記事を読んで将来について考えてくれるきっかけになればいいなと思う。まだ何も成し遂げていない私が言うのもおかしいかもしれないけど。
本当はやりたいことがあるのに、お金も貯まらずその日暮らしになってしまっているのなら、今すぐ贅沢はやめて5年後、10年後の自分のことを考えて動いてほしい。まだ風俗で頑張れそうならそのままお金を貯めたらいいと思うし、私のように虚しさしか感じなくてつらいだけなら、もう風俗は辞めて昼職で働きながら夢に向かって頑張る努力をしたほうがいいと思う。
風俗の仕事は、ある程度シフトは自分で決められるし、出勤すればその日に高収入をもらえる。このラクさに甘えているだけなら、やはりすぐに辞める準備をして昼職に戻るべきだと思う。
一生風俗の仕事をするならいいけど、いつか他にやりたい仕事が出来たときに少なからず苦労すると思うし、まだまだこの仕事への世間からの目は冷たい。それなら、「いつか」のための保険じゃないけど、昼職のブランクを作るべきではないと思う。これは、風俗を辞めて次の段階へ進もうとしている自分への戒めでもあるけれど。
(朝比奈ゆきえ)