昔、会社から帰る途中、出迎えてくれて、帰り道を一緒に歩いてくれたり、遊んでくれたりする真っ白いネコさんがいたんですよ。いつも白くてふわふわだったから、きっと飼いネコさんだろうと思ったけれど、本名が分からなかったんで、勝手に「しろちゃん」て呼んでたんですけど。
しろちゃんは神出鬼没でした。時には植え込みの陰から、そして、またある時には建設現場のブルーシートの下から、ぴょこっと真っ白なお顔を出し「けけけけけっ!」と鳴きながら、登場。ネコさんとしては若干エキセントリックな鳴き方をするコだなぁ、と思っていましたが、これがしろちゃんの「おかえり」の合図でした。
「けけけけけっ!」って鳴く時、ひょっとしたら、しろちゃんは日本語で、「おかえり」って言おうとしていたんじゃないのかな? って気付いたのは、私がそのアパートから引っ越して、しろちゃんに会えなくなって随分経ってからでした。
私がヒアリングできてなかったせいで、私の耳には「けけけけけっ!」って鳴いてるようにしか聞こえなかったんだ。私、ちゃんと「ただいま」って言えてなかったよ。しろちゃん、ごめん、ごめんね……。
もっと早く気付けていたら……! しろちゃ――――ん!!
佐藤先生の優しさにグッときたよ
思いは募るばかりですが、ここ数週間は、しろちゃんに会えない寂しさをTVKで放送中の『僕がネコに嫌われる理由』(注1)を拝見することで紛らわしていました。
番組に関する前知識は一切ありませんでしたが、「僕がネコに嫌われる理由」というタイトルが素敵だったので、反射的に録画し、とても楽しく拝見しました。いわばテレビ番組の「ジャケ買い」です。もしこのタイトルの小説かライトノベルがあれば、それも私は反射的に買って読むでしょう。
この番組は、異様に動物に嫌われ、当然ネコさんにも嫌われてきたというドランクドラゴンの鈴木拓さんが、ブログなどで人気のネコさんのお宅を訪問のうえ、ネコさんとデート。その様子について、スタジオのドランクドラゴン・塚地武雅さんと獣医師の佐藤貴紀先生がコメントするというかたちです。
鈴木さんのネコさんへの悪い接し方のお手本を拝見し、また、それに対する佐藤先生の専門的なアドバイスを聞くことで、私も将来、再びしろちゃんに会えたときのコミュニケーションに活かせそうな知識が得られたので、以下にまとめました。
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