カルチャー

「女は子供を産みたいはず、でしょ?」女の性と生殖を考える。中村うさぎ×牧村朝子×柴田英里/messyプレゼンツ@新宿眼科画廊

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中村うさぎ

うさぎさん、めっちゃ喋ります

柴田「私もこのあいだ、妊娠とは違いますが、女性の作家さんから『女の子は生理があるからすごいんですよ』って豪語されて。作品について話してたら、『柴田さんも生理があるから作品つくるんでしょ?』と言われて、いやいや違う違うと思って。女の人のつくるエネルギーは生理から来てる、と考えているそうで」

うさぎ「じゃあ閉経したら作品つくれないじゃん(笑)」

柴田「PMSになると制作意欲がわくって」

うさぎ「ある意味うらやましいですね、わかりやすく。毎月一回、制作意欲がわく日があるわけでしょ、ちょっとうらやましいですね」

牧村「便利ですね。おふたりの話をきいていて思ったのは、自分の価値観を『私は』じゃなくて『女は』って主語にする人がいるんですね。だから自分以外の誰かで『私は子供いらないよ』って言ってる女性を見ると、『子供をいらないと思っていない自分』のことまで否定されてるように思うんでしょうね。それで『生理があるのにもったいない、肩肘はらないでー』とか言ってくるんでしょうね」

うさぎ「もったいないとか言うなら卵子貯金しとけば」

牧村「あ、貯金というか冷凍保存はありますよね。若くて妊娠しやすい時期の卵子をとっておくとか」

柴田「でも卵子だけ良くても精子がダメで不妊のケースも多い。ちょっと最近聞いた話で面白いのが、精子にモーターのようなものをつけて勢いをよくさせるとか」

うさぎ「面白い。牧村さんは、子供が欲しいと思うんですか?」

牧村「思いますねえ。でも、すっごいよーく考えてみたんですけど、私が子供を欲しいと思っていたこの気持ちは、分解してみると、出産という経験をしてみたい、だったんですよ」

うさぎ「じゃあ精子が誰でもいい感じですか?」

牧村「いえ、好きでもない精子を自分の身体にいれるのが『私は』嫌なんですよ。もちろん、第三者の精子提供を受けて不妊治療してらっしゃる方を否定する意図ではまったくないですが。私は、です。なので、それはやらないんですけど。それはそれとして今、私のまわりの妊婦たちはスピリチュアルな方が多いんですよね」

柴田「妊婦ってホルモンバランスが毎日変動するから。ちょっとおかしなことを言ってしまう、妊娠の押しつけみたいな発想をしてしまう人も、いる」

牧村「私は28歳で今年29歳になるんですけど、私の身の周りで『産んでる人コミューン』みたいなものがあるんですよ。産んでから生理楽になったよね、といった話に、あーわかるわかる、とうなずき合うような。私は産んでいないからそこには入れないんですけど。印象的な話として、子供時代に私の母親から聞いたことがあって。『女の哲学者がいないのってどうしてだか知ってる? 女はね、産むとすべてを悟るの。哲学の必要が女にはないの』とか言っていて。子供時代の私は、すげー産みてえー悟りてえーと思った。母親が何を悟ったのかは全然不明ですけど」

うさぎ「聞いていて思ったけれど、産みたいと思うか思わないかって、母親の言葉に左右される側面もあるかもしれませんよね。私が出産に対してネガティブなのは、小さい頃に母親が『妊娠中にあんたにカルシウム全部とられて歯がぼろぼろになったのよ』としょっちゅう言われて、今思えばそんなことないんだけど、小さい頃にそれを聞かされたら申し訳ないなと思ったし、自分はそんな体がぼろぼろになるような出産体験怖いなと」

柴田「うちの親は、あんたのせいで太ったってよく言いましたね。昔は何を食べても太らなかったけどあんたを産んでから太るようになったと。ただの加齢じゃんって今は思うんですけど」

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