カルチャー

「女は子供を産みたいはず、でしょ?」女の性と生殖を考える。中村うさぎ×牧村朝子×柴田英里/messyプレゼンツ@新宿眼科画廊

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愛情の誇大表現

 良いお母さんであることを追求すると、砂糖や添加物のたっぷり入った市販の菓子などを他人が子供に与えることにも神経質になることがある、という話になり、「歌舞伎揚げでも食わしときゃいいんだよ、美味しいじゃん」と笑ううさぎさんは、「そういう、市販のお菓子やファストフードを禁止することで、子供にとっては逆効果になるような気もする」と展開し、柴田さんが「私がまさにそれです」と呼応した。柴田さんは自他ともに認めるジャンクフード大好きっ子である。

柴田「スナック菓子とかマクドナルドとか、小学校中学年頃まで親に禁止されていて食べられなかった。でも塾通いをするようになってファストフード解禁になったらもう美味しくて美味しくて、未だにバクバク食べてますよ」

うさぎ「私もそういうのあるわ。いちじくをね、食べさせてもらえなかったんです」

牧村「???」

うさぎ「いちじくはね、便所の裏に生えてるから食べちゃいけないって母親がね。その実を食べたくて食べたくて仕方なかった。それで未だにね、いちじくにだけはものすごい執着がある。まあつまり、合成甘味料とかをせっかく幼少時に食べさせなくても、思春期以降にかえって毒々しい食べ物を過剰摂取するようになるかもしれないよね」

牧村「舌が紫色になるようなお菓子とかね」

うさぎ「寸暇を惜しんで料理を作るのが母親の愛だと思ってるんだったらさ、それは違うよね。親が忙しくて、ご飯を子供が電子レンジで温めて食べるような生活でもさ、それを理由に『お母さんは私のことを愛してくれなかった』と言う人もいると思うけどさ、愛はそこじゃないでしょ。(手料理を誇示するのは)愛っていうより、見栄じゃないの」

柴田「中川翔子さんちって母娘の仲がすごく良いけど、お母さんはずっと夜に働いてたし料理もつくらない。でも愛情たっぷりって感じがするんですよ。だから愛はそこじゃないよなって。出汁とって味噌汁つくることがイコール愛ってわけじゃない。もしそんなに味噌汁が大事なら社会保障制度のひとつとして自治体が味噌汁を提供すればいいんですよ」

うさぎ「お母さんが子供にあれこれ手間をかけるべきって考える人たちっていうのはさ、お母さんは専業主婦であるべきって考えなのかな?」

柴田「三歳児神話というか、三歳まで子供が母親に抱かれて、保育園に預けられることなく、お母さんの愛情を一身に受けないと性格が歪む、と考える層はありますね。密室育児ですけど。2013年に安倍首相が成長戦略のスピーチで『3年間抱っこし放題です』と発言して顰蹙を買いましたが」

牧村「その3年間という数字も、三歳児神話からきているんでしょうかね。パパも抱っこし放題?」

柴田「自民党の方針としてはパパは違うんじゃないですか。男性議員が育児休暇を取ろうとしたら『足並みを乱すな』と党内でバッシングが起きたくらいですから」

牧村「そっちこそ足並みを乱さないで欲しいですよね。私の出身地、神奈川の田舎ですけど、そこの役場の職員男性で育休をとっている人がいて、世の中変わってきたなあと実感していたんですが、まだそんなこと言ってる人たちもいるんですね。俺はとらないぜ、足並みを乱さないぜ、と言うことは勝手だけれど、だからお前も乱すなよと強要するのは違う」

うさぎ「そこなんですよね、さっきの炎上にしろ。あなたがそう思って生きてるのは勝手だし、私は私で。足並みを乱されることに対する、恐怖なのか不安なのか怒りなのかわからないけど、そういうものは根底にありますよね」

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