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「お金があればすべてが解決」ではない!? 大学に進学したシングルマザーが恋愛できない理由

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uehara34

深夜2時ごろから飲みに出かけ、気付いたら朝になっていました。久しぶりに朝までお酒を飲んで国際通りを歩いていると、見慣れた景色がいつもと違うように感じます。今日は一緒に飲んでいた人に「彼氏ができない」「恋心も忘れてしまった」と愚痴り続けていました。「若いからすぐ彼氏できるよ」「まだ20代でしょ、再婚できるよ」という台詞に、つい噛み付きたくなります。ガルルルルル!!! シングルマザー女子大生・上原由佳子です。

以前、「恋愛するのには時間が必要だから、再婚を考えられないような恋愛に貴重な時間を使いたくない」という原稿を書きました。今回は、シングルマザーである上原の恋愛事情を通して、シングルマザーの恋愛・再婚について考えたいと思います。

気付けばどこにも馴染めなくなった

いま上原には好きな人がいません。できません。出会いがありません。

「みんな、研究者とかNPO関係者は紹介してくれるのに、彼氏候補になるような人は紹介してくれない!」

「再婚したり、彼氏いたりするシングルマザーがいるのに、上原に彼氏ができないのはお風呂に入らないからですか!?」

ここ最近はお酒を飲むたびに叫んでいます。でも、どうして「出会いがない」とか、「好きな人ができない」とか思ってしまうのでしょう。出会おうと思えばいくらでも出会えるはずだし、好きな人なんて放っておいてもいつかは出来るもののような気がします。自分が自分で不思議でなりません。

そこで、改めて上原の交友関係を振りかえってみました。地元の友達、スロット友達、夜の世界にいる人達、新聞記者、NPO関係者、研究者にだいたいが分類され、頻繁に連絡を取りあうのは、風俗店の経営者、記者、NPO関係者、研究者です。

風俗店経営者のお兄さん達は、仲良しだけど既婚者ばかり。記者の友人はみんな女子。NPO関係者は、すべて県外に事務所を構えている。研究者は、既婚者しかいない。しかも、歳が近い人いない。あ、同じ大学には片手でおさまる程度しか友達はいません。

少し前に“パワーカップル”と“ウィークカップル”という言葉が流行りました。『夫婦格差社会 二極化する結婚のかたち』(中央公論新社)に書いてあった内容を大雑把にまとめると“パワーカップル”は夫婦ともに高収入のカップル、“ウィークカップル”は夫婦ともに低収入のカップルのことです。そして男性も女性も同じくらいの学歴の人と結婚しているケースが多いそうです。

離婚前の上原は“ウィークカップル”でした。元夫も上原も、低学歴で低所得でしたから見事なほどに条件をクリアしています(笑)。現状の上原はどうでしょう。まだ大学を卒業していないですし、所得も限りなくゼロに近い。この分類に従うならば、“ウィーク”ということになるのでしょう。

でもこの分類にはちょっと違和感があります。というのも、上原が大学に進学する前にいたコミュニティは、「高卒すげー!!」「高校に通ってたの!? アタマ良い!!」といった会話が繰り広げられる感じで、短大・大学に進学した人なんて、ほとんどいませんでした。あの頃と比べて大学に進学した上原の環境は変わりました。そして当時の友人たちと徐々に話が合わなくなってしまいました。いままでと同じような話をしているはずなのに、友達と一緒にいてもヘラヘラ笑っているだけでうまくのれない。ただ時間がすぎていくのを待つだけ。

これって、相手に凄く失礼なことですよね。罪悪感のような気持ちが溢れ出してきて止まらなくなって、とてもツラかった。バカにしてるわけじゃないのに。

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上原由佳子

1988年生まれ。沖縄県在住。シングルマザー女子大生。女子力の欠片もなさを小学1年生の娘ちゃんから指摘される、どうしようもない系アラサー女子。

@yu756ka