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「お金があればすべてが解決」ではない!? 大学に進学したシングルマザーが恋愛できない理由

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誰を好きになればいいの?

上原に出会いがないのも、好きな人ができないのも、原因はここにあると思うんです。そう。上原は、大学に進学したときに、それまでのコミュニティから離脱してしまった。だから上手く馴染めなくなっている。その上、いまは大学には進学できたけれど、卒業もできていないし、この先どうなるのかも決まっていない。どんなコミュニティにもいないから、進学前よりも足元が不安定で、自分がどこにいるのか自分でもわからなくなってしまったんです。

すると、進学前は魅力的だと思っていた人が、そうでもなくなっていたり、反対にいま好意を寄せている人は、環境も暮らしぶりもなにもかも違って手が届かないような気がするようになります。「ちゃんとした人が子持ちの上原を相手にしてくれるわけがない……」と不安になります。根なし草になってしまった上原は、どんな人に出会って、誰を好きになればいいのでしょうか? 以前のコミュニティの人たち? それとも、いま目指しているコミュニティの人たち?

お金だけで全ては解決しない

別に上原の恋愛相談をしたいわけではありません(笑)。こうした戸惑いを経験している人は上原だけじゃないと思うんです。

離婚後、経済的な自立を試みて、資格をとったり、頑張って会社員になったシングルマザー、あるいは年齢を重ねてからスキルアップするために大学へ進学した人、はたまた偏差値が極端に低い高校から偏差値が極端に高い大学に進学した人、そんな人たちの中には、これまでと全く異なる環境に戸惑い、新しく人と繋がることもできず、かといって以前のような環境に戻りたいわけでもない……そういう苦悩を抱えている人がいるのではないでしょうか? もちろん、それぞれ背景は違って、単純に比べることはできないのですが。でも環境が変化したときの戸惑い、という意味では一緒だと思います。

上原は大学院への進学を希望しています。これまでもNPOや研究者のお手伝いを通して、研究者などと知り合うこともできました。きっと大学院に進学できたら、環境は激変するのだと思います。出会う人たちも、連絡を取り合う人たちも変わってくるでしょう。

上原なら大学院への進学、受験生なら大学への進学、シングルマザーなら就労する、こうした移動が終わらない限り、自分がどんな場所に行けばいいのか、誰と出会えばいいのか決められない。上原が「出会いがない」「好きな人ができない」と思うのは、こういうことなんだと思います(涙)。

児童扶養手当など様々な制度が充実したって困難は残ります。だからって「恋愛も支援して!」なんてことは思いませんが、階層移動(上原のようなケースをこういうのだと大学で勉強しました)から生じる問題がすべてお金で解決するわけではない、ということを知っていただきたいです。

さて、いろいろと事情があって、上原が大学を卒業するのは早くても4年後になります。大学院進学後に恋愛をするなら、5年後から恋活が始まります。そのとき、娘ちゃんは12歳。娘ちゃんと上原、どっちが先に彼氏できるかなあ?

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上原由佳子

1988年生まれ。沖縄県在住。シングルマザー女子大生。女子力の欠片もなさを小学1年生の娘ちゃんから指摘される、どうしようもない系アラサー女子。

@yu756ka