4月1日に施行される「女性活躍推進法」。果たして女性活躍推進法は、「女性の活躍」を推し進めることはできるのでしょうか。各都道府県にはどのような取り組みがあるのか、そしてそれはどれだけ役立つのか、突っ込みどころ満載のおかしな取り組みばかりなのではないか……? 第6回目の今回は【四国ブロック】を取り上げます。
・「100人男子会」「女性不在の推進会議」 都道府県の足並み揃わない女性活躍推進法【北海道・東北ブロック編】
・対外発信を意識した特徴的な取り組みは多い。でも何をしたいのかわからない…女性活躍推進法チェック【中部ブロック】
・「育児と就業を両立する女性の割合」ワースト勢が揃う関東圏…残念な県は残念なまま? 女性活躍推進法チェック【関東ブロック】
・目立った取り組みがほとんどない和歌山県…大阪府は情報を出したがらない? 女性活躍推進法チェック【近畿ブロック】
・応援団35名すべて男性の広島県、就労と育児の両立ナンバーワンなのに期待はずれの島根県 女性活躍推進法チェック【中国ブロック】
着眼点は3つです。
・女性目線か (神奈川県のように男性しか出てこないというケースも見られます。女性が登場しているか、事業の対象者が女性か、確認します)
・しっかりと事業を行っているか (中には、「とりあえず」「最低限だけ」やっているケースが見られます。しっかりと役立つ事業なのか、確認します)
・サイトのデザインは見やすいか (行政のサイトは必要な情報を探しづらいことで有名! 情報が得やすいか、アクセスしたくなるデザインか確認します)
前回の「中国ブロック」には、子育てしながら働く女性の割合が全国で最も高い島根県や、4位の鳥取県が属していました。女性活躍推進法に関しても他県の参考になる取り組みがあるのでは、と期待していましたが、あまり目立った取り組みを行なっておらず、とても残念でした。就労と育児の両立と、自治体の女性活躍推進法への意欲はあまり関係ないのかもしれません。
今回取り上げる四国ブロックは徳島県、香川県、愛媛県、高知県の4県が属しています。四国4県の子育てしながら働く女性の割合は、全国47都道府県中、
徳島県:18位
香川県:16位
愛媛県:27位
高知県:9位
となっています。
同じ四国に属していながら、9位から27位までと幅が見られます。この差は、各県のこれまでの取り組みへの意欲によって付いている差なのでしょうか? それぞれの県の女性活躍推進法に関する取り組みを見ていきましょう。
取り組み自体は少ないが、「無料の託児スペース」など細かい配慮が見られる徳島県
徳島県では県のHPで、「女性活躍推進法についての主な取り組み」として、関連する情報をまとめています。
・男女共同参画推進に功績のあった人、団体の表彰
・女性向けのキャリアアップスクール(とくしまウーマンビジネススクール)の開催
などの情報がまとまっています。しかし残念ながら、各事業へのリンクもなく、詳細を見ることができません。他にもいくつか取り組みは見られるのですが、女性活躍推進法に直接関連するものは少ないようです。
気になる取り組みは、昨年の11月に行われた「輝く女性応援フェスティバル」というイベントです。これは女性活躍推進法に関する理解の促進や女性のキャリアアップ、男性の育児参加を考えるイベントで、講演、シンポジウム、参加型のワークショップなど、内容も多様で充実しています。特に良いなと思ったのは、「無料の託児スペース」を準備している点でした。
こういったイベントに参加したくても、子育てしている女性は自分の子どもをどこかに預けられなければ、参加すること自体ができません。無料の託児スペースは「必須」なのです。これまでいろいろな県の取り組みを見てきましたが、イベント情報にこうした配慮はなかなか見られませんでした。今年1月に行われた「女性が輝くための講座」というイベントにも、無料の託児スペースが設置されており、徳島県では、女性を対象としたイベントでは、こうした託児スペースの設置が標準になっているようです。ちなみに、徳島県で一昨年に行われた同様のイベントでは、こうした無料の託児スペースの案内は記載されていませんでした。一年の間にこのように改善されていく様子が目に見えるのは嬉しいですね。
<徳島県 まとめ>
総合評価 ○
女性目線 ◎
お役立ち度 △
デザイン性 △
・コメント
託児スペース設置の細かな配慮には思わず感動です。