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29歳、男、無職。婚活サイトに登録してみた

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無職の婚活

よし、就活の前に、結婚しよう、と。

結婚して子供を作れば全てが、なんか知らないけどうまくいくんじゃないかという気がしました。

とはいえ、ミョンちゃんはもう遠く遙か彼方の外国へと旅立ってしまいました。かくなる上は、婚活です。婚約者が出来れば、そのために頑張って働こうという気が湧いてくるんじゃないでしょうか? ……知らないけど。とにかくまず、新しい相手を見つけなければなりません。……しかし引きこもりの僕、出会いなんかあるハズもありません。

なのでネットの力を借りることにしました。そうです、この世には婚活サイトというものがあるのです。僕は早速登録しました。

年収:0万円
職業:無職
自己紹介:作家志望で小説を書いているため、働いていません。でもそのうち働こうかと思ってます! 優しい人間だとか、世の中舐めてるだとかよく言われます!
相手への希望 :優しくて性格が良くて養ってくれる人が大好きです。一緒に色んなことが出来たらいいなと思います。

とりあえず以上のように簡単に登録を済ませて、早速登録されてる方のプロフィールをチェックします。

なんだか、最近の婚活サイトというのは、往年のmixiを彷彿とさせるようなデザインとなっています。SNS機能が豊富で、プロフィールの文章に対して検索をかけたりすることが出来ます。「人生」「死」「絶望」「虚無」などで検索をかけても、それなりにヒットします。僕は気がつけば色んな人の婚活プロフィールを読みふけっていました。

そして何通かメッセージを送ってみるも、ことどとく無視されて……気付いたら目には涙が浮かんできました。

僕は一体何を……している…………んでしょうか…………。

世の中の人はみんな真面目に働いて今日も生きてるんだと思いました。趣味に仕事に頑張って、未来にもちゃんとした見通しがあって……なのに僕にはなにもありません。僕は年収だけでなく、頭の中身も未来もゼロでした。

外に出ない……就活もしない……バイトもしない…………病気を治す気もない…………なんだか近ごろの僕は、この連載を始める前より色んなことが悪化しているような気がします。布団を被っても眠れないことが多くなりました。現実を直視するのはやっぱりつらいので、アドバイスに従って、妄想することにします。

婚活サイトでうまくいって、年収一千万円の美人と付き合って、芥川賞もらって、みんなからチヤホヤされて、ノーベル文学賞もらって、賞金で宇宙に行って、そのままもう地球には戻ってこないで、火星人と付き合って、幸せな家庭を築いて、解脱して、宗教の開祖となり、やがて火星の王へ……。

そんなことを考えていたら、一時的に日本に帰ってきたらしいミョンちゃんから「最近何やってんの?」とメッセージが来ました。しばらくの間熟考して、正直に何もかも言えば即、縁を切られる、と思い「就職活動」と答えました。

……僕よりダメな人って、この世にいないかもしれません。

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奥山村人

1987年生まれ。京都在住。口癖は「死にたい」で、よく人から言われる言葉は「いつ死ぬの?」。

@dame_murahito

http://d.hatena.ne.jp/murahito/