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女の幸せとは何か? テンプレ的な「幸福度診断」に疑問

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 さらにレポートを読み進めていくと、徐々に幸せグループと不満グループがそれぞれどんな女性なのかの具体像がイメージできるようになります。

 レポートによれば、幸せグループは、自分が女性らしいと思っており、恋愛にも積極的で、ファッションや美容にも力をいれている人が多く、また、子供を持つことが女性にとっての幸福だと考えている傾向があります。

 さらに、彼女たちにとっては結婚も重要な要素です。現在夫がいる回答者の「幸せ度」の平均は、結婚経験がない女性や結婚経験がある(過去に夫がいたが何らかの理由で今はいない=元既婚者、としましょう)女性よりも明らかに高いのです。ちなみに元既婚者女性の幸福度も、「恋人がいて結婚経験のない女性」と同じぐらいの水準になっており、結婚経験の有無が調査対象となっている女性たちの幸せ度を左右することを物語っています。

「20代男子のような女」は不幸なのか

 一方、不満グループはどのような女性か? 女性らしさも希薄で、恋愛には消極的、外見にも興味がなく、恋愛にも消極的……あえて、不満グループの回答傾向を並べると残酷ですが、この対比は今の日本社会における「女性の幸せ」というものを分かりやすく見せています。

 「幸福ですか?」と問われると答えにくいのに、いざ、細かい質問に答えてもらうとハッキリと幸福の形が見えてしまうのは不思議なことです。女性の社会進出などが社会的に良いことのように語られ、女性が選択できるライフスタイルの幅が増えてきているハズなのに「結局は、女の幸せって子供とか結婚とかなのか~」とガッカリしてしまう人もいるかもしれません。

 ただし、これだけハッキリと傾向がわかれてしまうと、今、自分が幸福だと感じている女性は、既製品のような結婚や子供といった幸福のパターンをなぞっているだけで「幸福だ」と思い込んでいるだけなのでは? とも感じてしまいます。本来、もっとさまざまな幸せ・不幸せの評価要素があるはずなのに、わかりやすい女性の幸福が前述の幸福診断チャートのように機能してしまうのでは、と。

 「自分が幸せかどうか分かりやすいのは、問題ないじゃない」、「幸せだと思い込んでいるだけでも良いじゃない」と思われる方もいらっしゃるかもしれません。しかし、これが問題なのは不満グループのほうなのです。女性の幸せの形が幸福診断チャートのように働くことで「結婚できないから、わたしは幸福じゃないんだ」、「子供がいないから、わたしは不幸なんだ」と思い込んでしまう女性がいる可能性があるのですから。

 家庭に入り、子供を育てるという、「旧来的な女性の幸福な生き方」を選択しないだけで、マイナス・イメージを負う女性がいるのだとしたら、まだまだ「女性の自由」は改善点があると言えるでしょう。

 ■カエターノ・武野・コインブラ /80年代生まれ。福島県出身。日本のインターネット黎明期より日記サイト・ブログを運営し、とくに有名になることなく、現職(営業系)。本業では、自社商品の販売促進や販売データ分析に従事している。

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カエターノ・武野・コインブラ

80年代生まれ。福島県出身のライター。

@CaetanoTCoimbra