昨年のNHK紅白歌合戦にも出演した、アニメ『ラブライブ!』で主人公の声をつとめる声優・新田恵海さんが、過去に素人モノのAVに出演していたとの疑惑が持ち上がり、騒動となっている。週刊誌「アサヒ芸能」で『学生時代に出演していた』と報じられたもので、web上ではAVの場面画像と新田さん本人の画像を何枚も並べ、ホクロの位置や耳のかたち、歯列などが「一致する」と盛り上がる人々が。彼女の所属事務所は5日未明に公式サイトで「本人ではない」と否定し、スポーツ紙の取材に対してもあらためて否定。「新田本人は『またこれ?』と笑っている」という。
本人および所属事務所が否定している以上、別人だということでこの事件は収束するだろう。とことん追及して「本人である」と認めさせたい人間には、AV出演しておきながら何食わぬ顔で成功をおさめようとしている女性に社会的制裁を加えたい、という思惑があるのかもしれない。足を引っ張りたい、ということだ。そんなものに従う必要はない。犯罪でもない。
それにしても不思議に思うのは、声優として現役で活動しながら極秘裏にAV出演していたというなら(契約上問題があるかもしれないため)まだしも、こうした”過去の疑惑”が噴出したときに「終わったな」「許せない」等のコメントがわき、当該女性を嘲笑したり貶めたりするような傾向が見られることである。
過去に、元HKT48のアイドル女性が風俗店勤務を疑われ写真などを晒されたことがあったけれど、あの時も同様の反応があった。AV出演経歴や風俗店勤務経験のある女性は、その後、何の仕事もしてはいけない、息を潜めている必要があるということだろうか。
日常的にAV含むアダルト動画や性風俗サービス業のお世話になっているであろう人々が、なぜ御礼を言うのではなく呪詛を吐き、彼女らを貶めようとするのか。「ありがとうございます」と感謝しながらでは抜けないということだろうか。
一方で、元日テレジェニックのグラビアアイドル・高崎聖子が、AVデビューするという話題も今、出ている。こちらに関しては「AV落ちありがとう」「早く過激なやつが見たい」と感謝、待望の声が大きい。さらに現役グループアイドルのメンバーたちについても「AVに行ってほしい」と冗談半分で期待する声が定期的に上がる。
前者、つまり現役の「清純派」として活動する女性に対しては、過去を糾弾。後者に対しては、見下しながらありがたがる。いずれの女性にも、敬意は向けられない。
(篠田ロック)