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ラブグッズがハッキングの対象に? バイブレーターの未来に思いを馳せる

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momoco138

バイブをハッキングして何の得が!? Photo by Dennis Skley from Flickr

 かつて「デジタル漬けの毎日がエロティックな感性を蝕む」というコラムを書いておきながら、公私ともに日々デジタル漬けの私にとって由々しきニュースが飛び込んできました。

アダルトグッズもハッキングの対象に あらゆるものにサイバーリスクの高まり、専門家が警告

 インターネットに接続できるデバイスであれば、医療機器や産業用機械だけでなく、アダルトグッズまでサイバー攻撃の対象になり得る……という記事です。ドイツで行われた情報、通信、デジタル機器&システムの統合見本市にで行われた、「目の前の机にド派手なピンク色の大きなバイブレーターを置くと、ノートPCに数行のコードを入力し、バイブレーターを動かしてみせ」るデモンストレーションの内容がまとめられています。

 「アダルトグッズに、通信機能が備わっている」前提で話が進んでいるのがすばらしいですね。まだ数はそれほど多くないものの、スマホと連動させて遠隔操作するバイブレーターなど、アダルトグッズのIT化はここ数年ホットな話題です。

 とはいっても、これはあくまで余興です。ほんとうに警告したいのは医療機器や産業用機械のハッキングであって、だからこそ、会場ではこの奇抜なデモにバツの悪い笑いが起きたそうですし、披露した本人も「バイブレーターをハッキングしても面白いだけの話だ」としたそうです。

ハッキングでバレたら厭なこと

 たしかに、一理あります。ハッキングしてできることといっても、女性の中に挿入されているときに急に振動強度を上げるとか、スイッチをオフにするとか、その程度です。これに面白みを感じる人は少ないでしょう。もし女性の部屋に隠しカメラを設置していれば、その慌てる姿は見られるでしょうが、それではハッキング+ストーキングとなって、変態犯罪度が増すだけです。個人としてはとてもキモチワルイ話ですが、悪事の規模としては小さすぎるし、まだ通信機能を備えたアダルトグッズがまだ一般的でない現在、こんな悪戯をするのは余程のおバカさんだけです。

 でも、それも「いまのところは」だと私は思うのです。アダルトグッズがより進化すれば、ハッキングされては困るような事態も起きえます。

 たとえば、その人の快感パターンを習得するバイブレーター。振動や動きのパターンを記憶させて、「お気に入りの動き」をいつでも再現できるバイブは、すでに登場しています。便利な機能ですよね。イクときのパターンは、人によってだいたい決まっています。加えて、最近のバイブレーターは操作方法がわかりにくいものも多いので、「あ~、あのパターンってどうやって出すんだっけ?」となりがち。簡単な操作で「いつものやつ」を出せるなら、たいへんありがたいです。

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桃子

オトナのオモチャ約200種を所有し、それらを試しては、使用感をブログにつづるとともに、グッズを使ったラブコミュニケーションの楽しさを発信中。著書『今夜、コレを試します(OL桃子のオモチャ日記)』ブックマン社。

@_momoco_

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