プロジェクトYSJ 出張報告書【2】
先日発足した「プロジェクトYSJ(夢子に精神科を受診させる)」の続きですうつ。
ひとしきりうつりんを攻撃したあと、夢子は無表情で黙ったまま布団に座り込んでいたうつが、やがて驚いたようにこちらを見て、こういったうつ。
「あれっ? うつりん来てたの!?」
寝癖がついたままで恥ずかしいだの、うつりんにお茶を淹れなきゃだの、夢子はすっかり慌てていたうつ。さきほどうつりんに対していったことやしたことを覚えているか尋ねると、きょとんするばかりで、まったく覚えていないといううつ。そればかりか、なんでぬいぐるみや布団が散らかっているのか不思議がっているうつ。
寝ぼけているあいだ、夢子はふだん抑え込んでいる攻撃的な人格を解放することで、精神のバランスを保とうとしているのかもしれないうつ。
精神科に行くのは、大げさなこと?
夢子が淹れてくれたお茶を飲みながら、うつりんはさっそく「夢子は抑うつ状態だと思うから、精神科を受診しなさい」と伝えたうつ。夢子は不安そうにいったうつ。
「え~? 私なんかが精神科行っていいの? ちょっと食欲ないし、ちょっと眠れないのはたしかだけど、ほんとに私、うつなの? この程度で精神科に行って医師に『大げさだよ(失笑)!』とか、『自分が病気だと思ってると、ほんとうに病気になっちゃうよ?』とかいわれない~?」
そこで夢子に、16の質問に答えてうつ病の重症度を評価できる「簡易抑うつ症状尺度(QIDS -J)」を使って、うつ病チェックをしてもらったうつ。厚生労働省のHPに載っているので、誰でもできるうつ。
夢子の点数は27点満点中25点! 「きわめて重度」と出たうつ。けれど夢子はまだ釈然としないようだったうつ。「こんな簡単なテストで、私の何がわかるっていうの……」とか、「要は気の持ちようでしょ? 私、全然気にしてないから、そのうちよくなるハズ」とか、ぶつぶついっているうつ。
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