地方公演で女漁り
若手のイケメン俳優が数多く所属する、Zという男性アイドル集団がある。2003年から毎年公演している人気ミュージカルや、特撮番組への出演経験者が多いのが特徴である。彼らの主な活動は舞台かテレビドラマであり、地方のイベントで巡業する際は、宿泊先や駅まで追いかけ回すファンも後を絶たない。とにかく様々なタイプのイケメンを揃えており、一部のメンバーで音楽活動をしていたりと、活躍の幅も広い。
その集団に属する何人かの「イケメン俳優」と私は、とある舞台の地方公演後、いわゆるナンパで知り合った。当時一番年下だったA君は、先輩俳優の「可愛い女の子たちと酒が飲みたいな~。A君、何人か連れてきてよ」という一言により、尻軽女を探して、慣れない地方の繁華街を一人徘徊していた。それにしても、地方で女用意しろって結構ハードル高い指令よね~。
腕の見せどころのA君、当時たまたま旅行中でその土地を訪れていた私と友人数名の女子グループを発見し、声をかけてきた。化粧も髪型も服装も派手でギラギラで、誰が見ても全員ビッチな集団。しかも暇そうにキャッチの兄ちゃんと喋ってる。こりゃいける!!……と確信したのだろう。
案の定、私たちグループは、女だけの旅行にも知らない繁華街にももう飽きていて、ホストでも行って暇つぶししようか、なんて話し合っていたところだった。ナイスA君。でも私たち、いくら暇でも軽そうに見えても、知らない土地で知らない人についていくなんて絶対ない……あらあら、よく見たらA君はかなり綺麗なお顔立ち。イケメン俳優として売っているのだから当然だったのだが、そんな綺麗なA君が、「有名な人もいるしイケメンばかりなのでお願いします、来てください!!」と必死なものだから、私たちグループはついていくことになった。「つまらなかったら30分で抜けよう。」とヒソヒソ耳打ちをしながらね。
お店にたどり着くと、打ち上げには10人くらいの役者たちがいて、本当に全員とてつもなくイケメンだった。これはラッキー!! ってことで、私たちも楽しもうってことになったわけ。今思えば、いくらA君一人とはいえ、彼らの姿を探して繁華街をうろつく追っかけのファンもいただろうに、よく無謀な女探しをしていたわよね……。上下関係、厳しいのかしら。
私たちが到着していざ乾杯となった頃には、先に打ち上げを始めていた先輩俳優たちはすでにべろべろに酔っぱらっていた。私たちも、言われるがままテキーラを飲みほしワインを何本も飲んですぐに出来上がっちゃったのよね。特に私はA君がとってもタイプだった上に、私の隣を離れずにテーブルの下で指を絡ませてきたりするものだからテンション上がりまくりで、率先して酔っ払ったわ。その場はとても楽しかったのだけれど、閉店の時間がくると、なんと会計が割り勘。先輩のケチー。ぶーぶー。
腹を立てて宿泊先に帰っていった子もお持ち帰りされた子もいたので、各自解散したわ。私は楽しい旅の思い出を作るために、A君が泊まっているホテルに行った。え? 見た目のまんまのビッチじゃないかって? 私は自分が抱かれたい男とそうでない男を会った瞬間に分けるわ。抱かれたいと思ったら率先して抱かれにいく。抱かれたい男に抱きたいと思われるなんて女冥利に尽きるわよ。え? クソビッチだって? そうよクソビッチよ余計なお世話よ。
しかし日頃からそんな性生活を送っていた罰が当たったのか、泥酔状態の私を悲劇が襲った。なんとA君の部屋には先ほど一緒に飲んでいた先輩が三人待機していて、私をムリヤリ押し倒して一人ずつ挿入してきた。顔がイケメンじゃなかったら犯罪よ犯罪。顔って本当大事よね。……イケメンでも犯罪か。まぁ私もこのことは吐いた酒と一緒に流したわ。
1 2