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男たちのセックス観が詰まった珍・文化遺産「昭和的バイブ」はどこへ行く?

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 アダルトグッズのネットショップで「新発売」のカテゴリーをクリックすると、「これ、いつ作られたもの? ほんとに新発売?」と首をかしげてしまうバイブレーターを目にします。いえ、メカニック部分は進化しているんですよ。それなのに、十年一日のごとく変わらないデザインのものが発売されているって、どういうこと?

 つい最近、某メーカーさんから、「うちのバイブは、女性が買うことをまったく想定せずに作っています(キッパリ)」といわれて唖然としたことがあります。ネットショップよりリアルのショップでの売上を重視しているところで、なるほどリアルショップの暖簾をくぐれる女性は圧倒的に少数派です。そこで売られているバイブは、当然、男性の性的興奮を煽るタイプのもの。なるほど~。昭和的バイブを出すメーカーにとっては、女性はマーケットに含まれてすらいないんですね。女性の身体に使うものなのに、女性の身体が無視されている。アダルトグッズの世界の一部は、まさに昭和の時代で時間が止まり、一分も進んでいないのです。

秘宝館と同じ位置づけ

 さて、さんざんdisってきた昭和バイブですが、私は「なくなればいい」と思っているわけではありません。それを生み出した男性たちの思考はほんと絶滅してほしいのですが、それによってグロテスクに形作られたバイブそのものには、おかしみを含む悲しさを感じます。

 時代に取り残されたことに気づいていない悲しさ、なのに、ひとりで虚勢を張って「いきり立っている」滑稽さ。秘宝館にも通じるそのたたずまいは、なぜか無視できないものがあります。秘宝館やかなまら祭りのような「珍・文化遺産」としての存在意義があるといってもかご運ではないでしょう。ある意味、日本人男性の「セックス観」の一端を表していることは間違いですから。

 私はバイブであればなんでも試すことにしていますので、こうしたバイブにもよくトライします。市場におけるマジョリティはいまだこのタイプですし、それが見た目を裏切らず悪いものであれば、それは注意を換気していきたい。でも案に相違してイイものもあるんですよね。

 バイブにはそもそも相性がありますから、人を選ぶという点ではハイクオリティバイブよりもハードルが高いです。そして、使い方には注意が必要。こうしたセンスのないバイブを選ぶ男性は、得てしてセンスのない使い方をするので、カップルで使うときは重々気をつけたほうがいいことも合わせて注意を喚起していきます。

 そうした条件を踏まえて遊べる人になら、もしかしたらいい出会いがあるかもしれません。女性のなかにも、「いきり立った」見た目に興奮を覚える人は一定数いるでしょうし、私はなぜかこうしたバイブを見ると「これは女性への挑戦だ」と感じることもあるんですよね。昭和的バイブが販売され続けるかぎり、試しつづけようと思います。結局は無視できないこの感じ、なんなんでしょうね(笑)。

(桃子)

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桃子

オトナのオモチャ約200種を所有し、それらを試しては、使用感をブログにつづるとともに、グッズを使ったラブコミュニケーションの楽しさを発信中。著書『今夜、コレを試します(OL桃子のオモチャ日記)』ブックマン社。

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