インタビュー

風俗界の格差が著しい現在、吉原の超人気ソープ嬢はなぜそんなに稼げるのか?

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愛梨「身体作りとか写真とか、自分の好きなことをブログに書くと、同じ趣味のお客さまが来てくれるんですよ。海外旅行に行った日記を見て、その国の方が日本にいらしたとき立ち寄ってくださったこともあります。共通点がある方は、リピーターになってくれやすいし、サービス中も話がはずみます。110分という枠のなかで、プレイをしているのはせいぜい30~40分。あとは服を脱ぎながらしゃべって、休憩しながらしゃべってという感じなので、そのおしゃべりが楽しくないと、お客さまのトータルの満足度は下がります。ブログって便利ですよね。興味があること、好きなことを発信していない子は、当たり障りない会話しかできなくて、お客さまの記憶に残りにくいんです」

 それにしても、よく笑う人だ。会話の隙間すべてが明るい笑いで埋められるから、いつまでも話していたくなる。リピーターが多いのもうなずける。そんな彼女を慕い、または目標とし、「どうしたら売れっ子になれるのか?」と助言を求める同業者女性もいる。

愛梨「20歳前後でふらっとこの業界に入ってきて、しばらくはスキルがなくても稼げたけど、25歳ぐらいになるとお客さまはさらに若い子に流れて途端に稼げなくなる。なんとかしたいけど、いままで何もしてこなかっただけに、何をしていいのかわからない……と焦る女の子は多いですね。そんな子には、仕事以外の楽しみを見つけ、週に一度はそれに思いっきり打ち込むようアドバイスします。そしてそれを、どんどん発信していく」

 アドバイスに従い、ポールダンスをはじめたソープ嬢がいる。当初はボディラインがぽっちゃり気味で愛梨さんも「高級店向きではないかな」と思ったそうだが、新たな趣味を見つけた彼女は目に見えて変わった。売れるためではなく、自分がかっこよく踊るために筋トレを始め、食事に気をつけるようになった。ブログにもその様子をつづるようになると、それが接客中の会話の糸口になる。

根性出して働いています。

愛梨「自分がいま与えられている仕事を、『私は向いていない』で終わらせるのはもったいない。『私はかわいくないから』『スタイルがよくないから』『お店のプロフィール欄に顔を出せないから』という子もいるけど、いまの時代はそんなの関係ないですよ。自己プロデュースして新規のお客さんをつかんで、LINEなりメルアドなりを交換し、それぞれのお客さまに合った営業をして、リピーターになってもらう。私は、そういう作業を淡々とくり返しているだけです。自分でもそれを楽しんでやっているからぜんぜん苦になりません。誰にとっても自分に100%マッチした仕事ってありませんよね。合わなくても、そこに楽しさややり甲斐を見つければ、自分で工夫するようになります。私は最初からラクして稼ごうなんて思っていないんで、根性出して毎日がんばってますよ」

 それでも、「ルックスがよくて、もともと人好きのする性格って、アドバンテージありすぎ」という人がいるかもしれない。だから高級店に勤められるのだ、と。

愛梨「アドバンテージがあったとしても、それだけではいずれ壁にぶち当たります。大事なのは、経験を積むこと。このお客さまはプレイ重視なのか、それともお年を召しているから会話を楽しんで癒やされたいのか……そういうことを肌で感じるようになるには、場数を踏むしかありません。ただルックスがいい嬢より、口に出さずとも願望をくみ取ってくれる嬢の方が好きというお客さまは大勢います」

 着実かつ堅実に風俗嬢としてのキャリアを積み重ねてきた愛梨さん。「何歳になったら引退しよう」という展望があったわけではない。しかし、趣味に打ち込みはじめてから、別のビジョンが見えてきた。いまの仕事を辞めた後、好きなことを仕事にしていければ……。後篇は、吉原のトップ・ソープ嬢は自身の将来をどう考えているのかをうかがう。

(三浦ゆえ)

→<後編>人気ソープ嬢の人生設計。風俗の仕事はいつ辞める? そのときの仕事と収入は?

→連載/女の給料明細

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三浦ゆえ

フリー編集&ライター。富山県出身。複数の出版社に勤務し、2009年にフリーに転身。女性の性と生をテーマに取材、執筆活動を行うほか、『女医が教える本当に気持ちのいいセックス』シリーズをはじめ、『失職女子。~私がリストラされてから、生活保護を受給するまで~』『私、いつまで産めますか?~卵子のプロと考えるウミドキと凍結保存~』(WAVE出版)などの編集協力を担当。著書に『セックスペディアー平成女子性欲事典ー』(文藝春秋)がある。

twitter:@MiuraYue