インタビュー

人気ソープ嬢の人生設計。風俗の仕事はいつ辞める? そのときの仕事と収入は?

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愛梨「以前、ロミロミというハワイのマッサージにハマって、やっぱり趣味が高じてこれを仕事にしていたことがあるんですよ。そのときにも風俗を続けてはいましたが、出勤時間が少なくなるからどうしても実入りが減ります。収入が急激に下がると、人は不安を覚えるんですよね。だから、講師の仕事を始めるにしても、最初は風俗の仕事を続けながらにするつもりです。いま、自宅の一角にバーベルやエアリアルティシューの練習台を置いて、いつでもトレーニングできるよう整えているところですが、まずはそこに同業の女の子を呼んでレクチャーするなど、無理のない範囲で始めたい。私は料理も好きなので、高タンパクで低カロリーの『筋肉料理』をふるまうことも考えています(笑)。それで軌道に乗ったら、風俗の仕事を少しずつ減らし、講師の仕事の割合を増やし、いずれはそちらに一本化できれば……という計画です」

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愛梨さんのヘルシー料理の数々

 貯金額を引退の目安にしている風俗嬢は少なくない。

愛梨「『いくら貯まったら辞める」というのは、同業の女の子からよく聞くセリフですね。でも、目標金額に達しても辞めた後に何をしていいのかわからなく、ズルズルと続けたり、一度辞めてもまた戻ってきたりするのがパターンです」

 講師の仕事に段階的にシフトしたいという展望は、貯金を有効に使うためでもある。

愛梨「新しい仕事にいきなりポーンと多額のお金を投資しても失敗するかもしれませんよね。それは、怖い。だから、自宅に最小限の設備をそろえるところから始めることにしました」

結婚という選択肢は?

 風俗業界からポジティブに引退する方法のひとつに、結婚も数えられる。愛梨さんにはいずれ結婚し、子どもを産みたいという願望はあるのだろうか?

愛梨「それが、まったくないんです! だいぶ以前に、おつき合いした人からプロポーズされたことがありますが、自分が好きなことをして稼ぐという環境を壊されるのが、私にとっては何よりもストレスになると、そのとき気づいたんです。同棲もキビシイかな。当時はマッサージの仕事が中心だったので収入が少なくて、彼に半分養ってもらっていながら一緒に暮らしていました。毎朝、お弁当を作って彼に持たせて、私はそこからマッサージサロンに出勤する。でも、『養われている』こと自体が私の性格には合わないんですね。稼ぐためにもっともっと勉強したい、そのためのお金も自分で稼ぎたいという気持ちが強くて、そっちにエネルギーを注ぐと、彼は『俺のことを構ってくれない』となっちゃう」

 構いたい、構われたい欲の強い男性と一緒に暮らすのは、面倒が多そうだ。

愛梨「いまは仕事でそれをやっているんで、プライベートでまでそんな駆け引きを求められるのは遠慮したいですね(笑)。その彼からは、仕事を辞めて長年の夢だったペンション経営をするから付いてきてほしいと言われたんですよ。マッサージサロンも併設すれば私も仕事を続けられるし、料理の腕も活かしてほしい、って。5年も交際してきたんだからそれもアリかな……と思ったんですが、やっぱり違う!!! と思って、結局お別れしました。私、風俗にしろトレーニングの講師にしろ、自分で決めたことしかできない性分みたいです」

 風俗の仕事をしながら、新たな「自分が好きなこと、自分で決めたこと」を仕事にするための下地作りに余念がない愛梨さん。風俗というと特殊な仕事と思われがちだが、愛梨さんのキャリアの積み上げ方、将来の見通し方は、しごく健全で、まっとうに見える。すこやかな心と身体を常に向上心で満タンにしている愛梨さんは、「5年後、10年後、風俗以外の場で活躍する姿を見てみたい」と思わせてくれる女性だった。

(三浦ゆえ)

→<前編>風俗界の格差が著しい現在、吉原の超人気ソープ嬢はなぜそんなに稼げるのか?

→連載/女の給料明細

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三浦ゆえ

フリー編集&ライター。富山県出身。複数の出版社に勤務し、2009年にフリーに転身。女性の性と生をテーマに取材、執筆活動を行うほか、『女医が教える本当に気持ちのいいセックス』シリーズをはじめ、『失職女子。~私がリストラされてから、生活保護を受給するまで~』『私、いつまで産めますか?~卵子のプロと考えるウミドキと凍結保存~』(WAVE出版)などの編集協力を担当。著書に『セックスペディアー平成女子性欲事典ー』(文藝春秋)がある。

twitter:@MiuraYue