連載

「本当の育児放棄をみたことがありますか?その上で保育園児の親を丸投げといいますか?」春の嵐のように乱立した待機児童問題トピ群

【この記事のキーワード】

「待機児童が話題となった「日本○ね」ブログの本質」

 はてな匿名ダイアリーの「保育園落ちた日本死ね!!!」から派生した待機児童解消ムーヴメントだが、トピ主は次のように分析する。

『私は件のブログの内容は、「国民(特に女性)に働け・人口増やせというなら、国民が働ける環境をつくるのが国の役目でしょ。旗振りだけして何もせず、そこは個人の努力でお願いしますっていうのは違うでしょ」という訴えだと思っていました。ところが、なぜか、「働くママ vs 独身・専業」「働くママ vs その他」みたくなっている。本来は、「国民 vs 国・政府」なのでは? 国やマスコミは、わかりやすく「働くママ vs 独身・専業」など、本来身内・仲間である人同士を戦わせて、逃げているように感じます』

 確かに「女の敵は女だよね、やれやれ」とばかり言いたげなマスコミ連中や政治家、コラムニスト、コメンテーターらには腹が立つ。他人事にしていては人口の少子高齢化傾向は絶対に改善しない。

しかし一方で、喜んで「女の敵は女」状態の論争に参加する女性たちもいるからまったくややこしい。そりゃあ女だって立場も思想も様々なのだから、一枚岩にはなれないのだ。小町においては、待機児童問題は、“育児の担い手は母親って決まってるのに、待機児童解消を声高に叫ぶ女たちは、その母親のつとめである育児を放棄して働きたいようだ。何という事だ”という意見を非常によく目にする。そしてそれは結局のところ、保育園に預ける必要がない専業主婦vs保育を必要とする兼業主婦、という構図に陥りがちで、結論は出ない。そういえば、妊娠による産休で職場に迷惑をかけることになる女性に対する風当たりが異常に強いのも小町の特徴である。女同士の縄張り争いみたいなこの合戦、不毛すぎる。

「育てているから欠ける」

 保育を必要とする兼業主婦(という言い方も古すぎるが)が、主に女性に「育児を丸投げしている」「自分で育ててない」などと批判を浴びせられる事についての反論。トピ主は保育施設に勤務している保育士だ。

『保育園にいる子は親に育てられている子どもです。(専業主婦の子どもが)幼稚園で学ぶように、一部分を誰かの手に委ねている。幼稚園ママと保育園ママは任す内容が異なるだけで同じことをしています。あまり(保育園ママを)悪く言わないでほしい。私たちとともに過ごす彼らの立場がない。保育園に預けられている子がもし育児を丸投げされたかわいそうな子なら、私と過ごす彼らは一体なんですか? 育児放棄とか、育児丸投げとか。そんなに安易に使っていい言葉でしょうか。しかも素人が。本当の育児放棄をみたことがありますか? 丸投げされた子どもを知っていますか? その上で保育園児の親を丸投げといいますか? 丸投げなんて、子どものことを考えていたら絶対に出ない、子どもを貶める発言ですよね。こういった発言がなくなることを願います』

 そう、これは筆者もよく感じるのだが、<子どもはママと一緒にいるのが一番>教の信者の方々は<保育園に預ける=母親と離れてかわいそう>という認識をしており、だから保育園に預ける事に対する批判も生まれるのではないだろうか? 育児放棄というが、育児放棄していたらそもそも必死になって認可保育園に入れる事はせず、乳幼児を家に置き去りにして出かけてしまうのではないか。保育施設に子どもが登園することに批判的な人は、何をもって育児放棄と言っているのか教えてほしい。本当に、保育園関連の、母親に対する批判は、見当はずれのものが多いのである。

「働くお母さんと専業主婦がケンカせずに呟くトピ」

 今回の一連の騒動が小町において『【働く母VS専業主婦】の戦いになりがち』であることを残念に思っているトピ主。

『みんな立場は違いますよね。働いているか否かだけでなく、全く同じ立場の人なんていないのに、何故か目立つ二陣営のバトル』

そんなトピ主は専業主婦だが働くお母さんを応援している。それなのに「専業主婦は社会貢献ゼロ」「なんで専業主婦の年金を負担しなきゃいけないんだ」などと他のトピで叩かれて凹んでいるという。

 ケンカせずにつぶやくトピなので、他のトピよりも比較的穏やかに進行しているが、こんなコメントがあった。

『この問題は女だけが問題にしてるからダメなんです。子供は、男もいないと作れないんだよ』

 本当ですよ。本当に! この問題を自分事として捉える男性が多くないことは、実際に筆者も肌で感じている。認可保育園の申込書を提出しに行ったり、手続き方法について質問したり、保育園にまつわる様々な相談のため区の保育課窓口を訪れた際、切羽詰まった表情でだっこ紐に子どもをINしてカウンターに座る女性(女親)を大勢見てきた。しかし、男親とおぼしき人たちに会った事は一度もなかった。男親たちは育休を取っていない(取れない)から平日の昼間に区役所に来れないのだろう。そして「そんなこと」のために有給も使えない。男性個人を責めるつもりはなく、これは社会全体が子どもを軽視しているせいだと思う。

 出産を経て主に変わるのは、女性の人生。父親である年配男性も、現役で幼い子を扶養中の父親も、これから父になろうとしている男性も、世代を問わず多くの男たちにとって「子ども」は他人事になっているし、社会がそうであるように仕向けている。ほとんどの職場で育休は女性が取るものだ、という風潮はやはり“育児は女性が担うもの”という意識の根深さから来るもののように思えてならない。そこを変えなければ何も変わらないような気もしてきた。

1 2 3 4 5

ブログウォッチャー京子

インスタウォッチが日課の子持ちライター。子供を寝かしつけながらうっかり自分も寝落ちしてしまうため、いつも明け方に目覚めて原稿を書いています

@watcherkyoko