インタビュー

iroha革命から3年、女性のオナニーは変わったか?

【この記事のキーワード】

恥ずかしいことじゃないという大前提

 

――「iroha」シリーズがスタートして3年。世の中の「女性の性」を取り巻く価値観は、どこか変化したと思いますか?

 

工藤 かつては、「“男性が”、“女性に”使用して興奮するようなバイブ」が主流でした。男性目線で作られていますから、卑猥な形で振動音も大きく、女性が購入しにくいものが多かったのです。

00年代になると、おしゃれで女性も購入しやすいデザインのものが増えてきて、「“男性が”、“女性に”使って興奮するようなバイブ」から、「女性がたのしむバイブ」、そして「女性をたのしませる、一緒にたのしむグッズ」という構図に変わりつつあるのではと感じます。

「iroha」シリーズも、女性が女性にとって心地よい製品を目指し、すべて女性スタッフで開発を行っています。実際irohaの購入者の約6割は女性です。他方、4割が男性で、カップルにも一緒に楽しんで頂いているようです。

 

――女性がユーザーとして手に取りやすくなってきたと。

 

工藤 はい、「バイブやローターは男性が女性に使うもの」という意識は、だいぶ変わってきたと思います。

 

――市場自体はどうなのですか。従来の「男性が女性に使うバイブ」はジョークグッズとして売られてきましたよね。

 

工藤 irohaは基本的に、アダルトグッズであることを明記していて、ジョークグッズとしての売り方はしていません。キャッチコピーである「性を表通りに」ということへのこだわりからそうしているのですが、量販店に置きづらいというジレンマもあるんですよね。

 

――アダルト商品という前提ありきで、薄暗くない場所に商品を置けるようにしていきたいんですよね。

 

工藤 はい。マスターベーションは当たり前の行為なんだから目を背けないで、それは普通の欲求なんだよってことを広めていきたいです。

――Appleストアみたいに、TENGAストア。

 

工藤 いいですね!

「TENGA SHOP」という名称でirohaも手に取って頂けるお店が、東京、大阪、千葉(2016年5月時点)で展開頂いております。今後更に全国各所へ広がっていく予定です。

 

――ただ、バイブなどのグッズが「男性が女性に使うもの」という認識自体は変化してきたけれど、先ほどもおっしゃっていたように、マスターベーションします、iroha使いますよと発信することで、「スケベな女」認定される状況はまだある。

 

工藤 残念ですがまだあるかもしれません。ですが、シルクラボさんや、日活ロマンポルノのように、女性が受け入れやすいアダルト作品を制作する事業が盛り上がっていますし、これからもっと市場が拡大し、確立すれば、皆さん後ろ暗い気持ちなど持たずにもっと楽しめるようになると思います。

 

――女性の性の市場って、ここ数年で見れば拡大傾向にあるとは思いますが、じゃあ昔の女性は性に興味関心がなかったのかっていうとそうじゃなくって、最近の女の人がやたらエロく進化したってことでもなくって、もともとそうなのに蓋をされていたってだけですよね。

 

工藤 隠さなくて良いんですよ。私は今も実家暮らしですが、iroha商品は自室のベッドの上に全種類並べています。両親が私の部屋に入ってそれを見ても別に何も言わないですし。まあ、仕事道具だからというのもありますが……少なくとも、マスターベーションするということを「恥ずかしい」とは思わなくていいんじゃないでしょうか。だからといって、わざわざその話を両親とすることもないですけどね。

 

――目の前でするわけじゃないですしね。一人で個室で誰にも見られることなくその行為をおこなうことと、その行為について発言したり会話したりすることは同じじゃないですから。している最中に、いきなり部屋に入ってこられたらそれは嫌ですよね、プライベートなので。

 

工藤 その点で言えば、やっぱりirohaは静音声が高いので、実家暮らしの方にもオススメなんですよ! 大きな音がするグッズは、家で使いづらいですから。

 

――ブーッて振動音が廊下とかに伝わって「あ、今しているんだな」とリアルタイムで知られるのはちょっと嫌ですもんね。人知れずしたい、でも「していますよ」ということ自体は隠さなくていいってことですね。一方で、何度も繰り返しで恐縮ですが、女性が性について発信することがタブーだったり隠されていたりする“から”、だから萌えるんだ、という向きもあると思います。明るくなくて暗いから卑猥で欲望をかきたてるんだとか、女性の欲望をオープンにされると男性は萎えるという向きもあるでしょう。

 

工藤 恥ずかしいから興奮する、恥ずかしがっている姿に興奮する、そういった側面もあるでしょうが、オープンにするから楽しめる側面もあります、どちらもです。ただこれだけは言いたいのですが、性欲は自然な欲求。暗い気持ちを伴わずに楽しんでほしい。確かに、恥ずかしがってる女性を見ると男性はすごく興奮しますよね(笑)。で、女性も特に恥ずかしくないのに恥ずかしいフリをするじゃないですか、プレイとして。大前提としてオープンな性があって、そのうえで個々の趣向にあわせたプレイ、恥じらいプレイとかをすればいいと思いますよ。

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