ナンパ師たちの努力
その1:ナンパど素人サラリーマン
イベント帰りの新宿で友人と別れ、ひとりで駅方面に向かっていました。とはいえ時刻は朝の4時。電車が動くまで時間潰せるところを考えながらフラフラしていると、後ろでコソコソ話す声が聞こえました。「どうする?」「いや~」「ジャーンケーン……」とか吟味してさらにジャンケンして、全部聞こえるからな! と思いながら歩いているとやっと声をかけられました。
振り返ると、高校生みたいな顔をしたスーツの2人組。とりあえずお寿司屋さんで一杯だけ飲んでみました。しかし、銀座コリドーへ行ったり、ナンパ師たちのSNSを熟読している最近の私にはわかっちゃうんですよね。話の内容も雰囲気もどう考えてもナンパど素人。特に会話も盛り上がることなく解散しました。彼らは相席系のお店帰りだったのですが、「さっき相席系の店でいい感じやったから二次会連れ出そうと思ったら拒否られたんだけど!」って怒ってたけど、それ全然「いい感じ」になってないってことだからね……とだけ教えてあげました。
その2:ナンパ師3人組グループ
夜の新宿をひとりで歩いていた時、3人組に声をかけられました。3対1!? って思ったけど、とりあえず居酒屋へ行くことに。年齢も雰囲気も全然違う3人組だったので「3人はナンパ繋がりで仲良くなったんですか?」と聞いたあたりから、ひとりの様子がだんだんおかしくなりました。要するにキレてる。どうやら私が、彼らではなくナンパ自体に興味を持っていることがバレてきて、それがめちゃくちゃ気に入らなかったらしい。
私は壁際に座っていたので「あ~こりゃ殴られるか、飲み物ぶっかけられるな……」と覚悟したほどすごい剣幕で怒鳴ったりジョッキを机に叩きつけたりしてる。見かねた相手側のひとりが彼の横について制してくれたので店内では何事もありませんでしたが、外に出てから道端でしっかり突き飛ばされました。
結局その後、ヤバい奴を制していた一番まともそうな人と少し飲み直すことに。聞けば、ヤバい奴は三十路のニート。何も失うものがないから、ナンパする時は結構いつも強気なんだとか……。しかも普段は居酒屋なんて挟まずそのままホテル直行だし、尚更イライラしたんだろうね~とのこと。いや、見た目は全然カッコよくないんですよ! ど、どの層が彼についていくの!?!? とすごい勢いで問いただすと、「10代~20歳くらいの子には有効」とのことです。わからん。数打てばいけるってこと? 相手の女の子も変な奴ってこと? とはいえ、ナンパ師同士はナンパ中に知り合ってグループになるから、お互いの素性は全然知らないことも多いとか。怖いな~!
ちなみに、そのまともそうな男性は銀座とかでもナンパしていて、連絡先の交換だけして解散とかも全然あるらしい。お仕事は外資系サラリーマンらしく(こうなったら何も信用出来ないけど)とりあえず合コンしましょう! ってまんまと連絡先を交換して帰りました。