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アダルトグッズ漫画に付き物の「処女性」と「性の客体でいろ」という価値観

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 でも、「処女なのにオモチャ!」と同様に「女が作るオナホ!」は、一部の男性にとって“夢”のあるフレーズなのですね。しかも、この主人公は自分の膣内を型取り(そんなこと可能なの?)して、それをオナホールとして販売します。そして、パッケージには自分の写真を掲載。目線を入れていてもわかる地味かわいさで人気に火がつき、バカ売れする、というミラクルがおきます。

 くり返しになりますが、こうしたコミックにツッコむのは野暮です。私はこれまでにも男性の男性による男性のためのセックスファンタジーを批判(親父エロ雑誌とか、中出し至上主義映画とか)しては、「便所に顔をつっこんでクサいクサいと文句いっているようなもの」「ウコンアレルギーがあるのにカレーを食べにいって怒るなよ」と某所で非難されてきました。でも、そもそもクサい便所が当たり前のことになっているほうがおかしくない? クサくない便所もあるんだよ、ということで、ここでも一女性として、いえ、アダルトグッズに関わる者としてあえてツッコみませてください。

 アダルトグッズに携わる仕事をする=性の客体になりたい、ではないから!

 アダルトコンテンツに携わる女性はエロい、オカズにしていいという男性の誤解は根強く、それを逆手にとって「ソフトオンデマンドの女性社員」のAVは長らく定番となっています。でも、性生活をサポートする商品を作る/売ると、自分自身を性の客体として売るには天と地ほどの差があるのです。まー、頭のなかで妄想されるぶんには勝手にしてくださいというしかないですが(キモいけど)、エロい質問をしたり、エロい行為を要求したりするとなると、それは単なるセクハラです。私もこれについては、何度もイヤな目に遭ってきました。

グッズの発想はユニークなのに

 まして、同作品にあるように「アダルトグッズショップに納品いったら、そこの店主に『あのオナホの子だよね』とセクハラされた」は論外です。私が知るアダルトグッズショップの人、みなさんまじめに販売のお仕事していますよ。この手のショップで働く人への偏見を感じ、気持ちが萎えました。

 ローテンションになりながらも本作を読了できたのは、ひとえに本作に登場するラブグッズのおかげです。「女性だけのメーカー」という触れ込みのわりには、商品名が「乱棒怒りの露出」「ピンクまんまん」「アナルハメハメ」って……それ、20年以上前のオッサン的センスですよ。でも、時おりユニークなものが混ざっているので見逃せません。

 たとえば「ミズダコローター」。その名のとおりタコ型ローターですが、水中で使うと脚がウニョウニョと伸び、振動しながら肌にその脚をからませて触手プレイに突入! 「乳クラゲ天国」は、これまた名前のセンスはひどいですが、おっぱいにかぶせて使うローターです。内蔵されたクラゲっぽいジェル状ローターが乳首を覆って刺激……って想像するとなかなかイイかも!

 現実のアダルトグッズ開発現場では技術的、予算的に無理! と即却下されそうなものが続々登場するのは、まるでドラえもんの道具を見ているようなワクワク感があります。あ、自分でいっておいてなんですが、アダルトグッズ専用ドラえもん、いいですね。リアルから遠くはなれたファンタジー的アダルトグッズ漫画なら、処女を無理やり業界で働かせるのではなく、面白グッズが続々四次元ポケットから出てくる漫画のほうが私は読みたいです。

(桃子)

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桃子

オトナのオモチャ約200種を所有し、それらを試しては、使用感をブログにつづるとともに、グッズを使ったラブコミュニケーションの楽しさを発信中。著書『今夜、コレを試します(OL桃子のオモチャ日記)』ブックマン社。

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