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秘宝館、ラブホ、イメクラ…。花開いては消えていった昭和エロスの味わい

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『SF未来館』のインスタレーションは、その名のとおりSF仕立て。ナンセンス極まりないうえ、ときにグロテスク。これでヌケるかと問われればたいていの人は首を横に振るでしょう。しかも、FRP製(繊維強化プラスチック)の人形は、当時で1体約50万円かけて造られたもの。現在でいえば、200万円はくだらないほどの予算と技術をつぎ込んで、ヌケないエロスを表現するアホらしさ! いいな~。

都築「スケベオヤジの妄想のための施設と思われがちですが、秘宝館をいちばんエンジョイしていたのは、女性グループでしたね。男は意外と恥ずかしがっているのに対して、おばちゃん4人組とかがあーでもないこーでもないといいながら、長居するんです」

 これは私が春画展や、オリエント工業の「人造乙女美術館」でも感じたことです。性的コンテンツを臆することなく楽しむのは、平成女子の積極性ゆえと思っていましたが、そんなことはないようですね。女性の本質は、「ウフフと笑えるお色気エロス」に意外と寛容なのかもしれません。会場にあった「おさわり用」のオリエント工業ラブドールも、女性のほうが大胆に触っていました。

イメクラは独特のデザイン空間

 しかし、これが性風俗の世界となると、女性にはわからないことも多いようです。

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都築「イメージクラブ、略してイメクラは、いうなれば観客がひとりもいない場所で行われる演劇。客は頭のなかに妄想を携えてやってくる。たとえば体育用具室を模した部屋では、『お前はきょうも跳び箱を飛べなかった。いまから個人レッスンだ!』という台本まで用意してくる客もいるわけです。そのために考えぬかれた、不思議なデザイン空間。これをロンドンの有名ギャラリーで展示したのですが、現地の人にはまったく理解できなかったようです。いかに日本独自の文化なのかがわかります」

 イメージプレイが行わえる部屋は、正直とても殺風景です。唐突に跳び箱が置いてあったり、オフィス机が置いてあったり……シュールすぎ。これでイメージを膨らませながらプレイに没頭できる男性の妄想力、ハンパないです! しかしこれも、風俗以外の性娯楽の充実、細分化により過去の「遺物」となりつつあるようです。

都築「日本人が生み出してきた“性のスペクタクル”というか、直接性欲には結びつかないけどへんな感じのクリエイティブ、というのを見てもらいたい」

 と都築さんが語るように、エロス=ムラムラムンムンの性欲だけでなく、いろんな側面……大げさに聞こえるかもしれませんが人間の本質的なことをえぐりだすように見える昭和エロカルチャーの数々。いまはもうなくなってしまっているものだけに、こうして一度に鑑賞できる貴重な機会です。

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 最後に、TENGAやirohaが販売されていて、なぜかホッとしました。昭和の濃厚なエロスへのタイムトリップから、平成エロスに帰ってきた感じ。昭和、平成、そしておそらく次の時代も生きることになると思うので、エロカルチャーの行く末、見届けたいです!

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桃子

オトナのオモチャ約200種を所有し、それらを試しては、使用感をブログにつづるとともに、グッズを使ったラブコミュニケーションの楽しさを発信中。著書『今夜、コレを試します(OL桃子のオモチャ日記)』ブックマン社。

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