連載

元カレから逃げたくて始めたAV女優という仕事、私には向いてた

【この記事のキーワード】
Photo by  from Flickr

Photo by Marina Spektr from Flickr

 あるときは高級ホステス、またあるときは潜入取材ライター……好奇心の赴くままに動いてきた20代女子・アスモデウス蜜柑が、「短期集中連載・彼女がAV女優になったワケ」をお届けします!

序章【AV女優というお仕事の謎に迫る】はこちらからどうぞ

女優A子の場合

 A子は22歳の現役企画単体女優。休学中だが大学に在籍している。AVの仕事をする前は、昼は大学生活、夜はキャバクラ嬢としてアルバイトをしていたという。彼女はなぜ、キャバ嬢からAV女優への転職を決めたのか?

A子「当時付き合っていた彼氏が、私のお金を使いこむDV男で……。大学もほとんど行かずキャバクラで働く毎日に嫌気がさして、彼から逃げるために引っ越しをしたくて。まとまったお金が一気に必要だったんです。最初は引っ越し資金を稼ぐための一度だけの出演ですぐに辞めようと思ったくらい、ライトな感覚で業界に入りましたね。最初の事務所はまずスカウトから情報を得て自分で入りました。でも勝手に裏ビデオが出回っていたり、出演が私だけ(=単体扱い)なのに企画モノと同じくらいの給料しか貰えなくて不信を感じて、友達の紹介で最近事務所を移籍しました。今の事務所は整形費用なんかも3割負担してくれたり、ギャラが最低30万からだったりとこちら側のメリットが大きいので、納得しています」

 では、そのAV女優の所属事務所の人間は、どんな仕事をしているのか。

A子「メーカーに宣材を持って行って営業したり、女の子と一緒にメーカーに出向いて面接まわりをします。面接まわりの際、女の子は各メーカーで洋服を脱いで写真を撮られ、毎回面接用紙に必要事項を記入するんです。どこまでできてどこまでできないのか、なども選択肢で記入します」

 およそ一年半前に企画モノでデビューしてから現在まで、こなした撮影は20本前後だという。

A子「初めての撮影のときも緊張しませんでした。これだけで彼から逃げられると思うと、助かったという気持ちの方が大きかった」

 それだけ、元カレとの関係に疲れていたのだろう。

 友人には自らAV女優なことを告白しているが親や兄弟にバレるのを防ぐため、A子はパブを絞っている(=コンビニで誰でも購入できるような雑誌やスポーツ紙には情報を載せない)。ゆえに、単体ではなく企画単体女優という立場なわけだが、仕事の幅は広いそうだ。

A子「小さな仕事から大きな仕事までたくさんあって、作品によってこんなに天地の差があるのかと最初は驚きました。具体的な作品名とかは出せませんけど……。スカトロとデブな男優さんだけはNGを出していますが、あとはアナルセックスでも3Pでも何でもやりました。私のキャラクター的には、拘束されたり連続でイカされて白目を剥いたり、M女モノが多いですね。他の女優さんと絡む作品もあります。仕事として割り切っているので好きなシチュエーションはありませんが、私自身実はバイセクシャルなので、レズモノはプライベートでもほとんど経験できない分、楽しんじゃいます(笑)企画だと一時間半の拘束で8万のギャラをいただいたこともありますが、ひどいのだと20時間も撮影にかかったのに12万とか。拘束時間は巻いたり押したりは当たり前なので、時間が長いからといってギャラが高くなるわけではないんですよね」

1 2

アスモデウス蜜柑

好奇心旺盛な自他共に認める色欲の女帝。長年高級クラブに在籍し、様々な人脈を得る。飲み会を頻繁に企画し、様々な男女の架け橋になり人間観察をするのが趣味。そのため老若男女問わず恋愛相談を受けることが多い。趣味は映画鑑賞で週に3本は映画を見る。