インタビュー

伝説のAV男優・チョコボール向井が50歳で見つめ直す欲望/インタビュー【3】

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 ギラギラなスターAV男優として、そして憧れのプロレスラーとして活躍し、アラフォーでどちらも引退したチョコボール向井さん。「考えたこともなかった」というバー経営も順調で、お店は今年で10周年を迎えます。最後は90年代スター男優に、この10年で大きく変化したAV業界と「エロメン」について、そして50歳の“性”について伺います。

駅弁・腰痛・インポ…チョコボール向井、AV全盛期を語る/インタビュー【1】

絶頂期の「逮捕」、勃起障害からのAV引退。チョコボール向井に訪れた転機とは/インタビュー【2】

 男優として一番正しい答えは、田淵くん

チョコ 時代ですね、時代を読まないと。男優も今は「エロメン」男優が主流、古い男優は要らない。だから今、加藤鷹さんや私が業界へ戻るとしても、通用しないでしょうねぇ。

――でも、現役のベテランAV男優・田淵正浩さん(49)も人気ですよ。

チョコ 田淵くんは私の唯一の90年デビュー組の同期でして。彼がすごいのは、個性がないのが一番の個性。90年代の個性派男優全盛時代には、個性がなくてダメな男優のパターンでした。ところがですよ、20年経って逆転して、個性がないから今生き残っているんですよ。

――何でも変われるカメレオンですよね。

チョコ 逆転の発想ですよね。キャリアでいうと25年も男優をやっている。加藤鷹、チョコボール向井の時代で今でも生き残っているのは、田淵くんだけじゃないでしょうか。今はでも、無個性な男優ばかりの時代も終わって、しみけんのようなイケメン男優が人気。さらに女性向けのAVレーベルまで発足しましたよね。

――はい、そして『messy』でもお馴染みのエロメンたちが登場しました。

チョコ そう、一徹くんたちは、チョコボール向井たちが知らない世界のAV産業の産物ですね。やっぱ、時代が変わっちゃいましたね。チョコボール向井の全盛期はレンタルしかないから、女の子は見る機会がなかったと思うんですよ。

――ネット接続環境さえあれば、男女関係なくAVにアクセスできる時代になりました。女性向けAV作品、観たことはありますか?

チョコ ないですねぇ~、なんかまったりしてるんでしょ?(笑) 今のAVは僕には関係ないっていうか、わからない世界。ただ、90年代初頭の頃は、レディースコミックのブームがあって、男優を特集されたりもしたので、やってることは変わらないのかな。

――チョコさんのお店に現役のAV男優さんが来店することはありますか?

チョコ 来ますよ。年に1回、ゲストを呼ぶイベントをやってて、9周年だった昨年は、しみけんくんにゲストで来てもらいました。過去には加藤鷹さんも。しみけんデーの客層で、やっぱり時代が違うなぁって感じましたね。

――女性客がたくさん来たって事ですか?

チョコ そう、普段の客層は、男性が8割9割なのに。女性のお客さんはしみけんファンが、何か、じっとりと。カウンター越しに、目の前にいるしみけんが何してるか、一挙手一投足じーっと見ててね。明らかに目で犯してるなぁって感じ(笑)。ファン層が変わったなぁって感じましたね。そしてこうやって新しい女性ユーザーをつかんでいるしみけんはやっぱりスゴイなぁって。

――10周年を迎える今年のイベントは誰がゲストでいらっしゃるんですか?

チョコ 11月に「10周年祭」をするんですが、今年は加藤鷹さんを3年ぶりに復活させます! かなり濃厚な感じで加藤鷹デーができるかと。本当は予算があれば、しみけんもぶつけて、今の男優、昔の男優って対決をやりたかったんですけどね。ともかく今年は濃厚な「加藤鷹デー」。来てくださいね。ただ、加藤さんはお酒飲めないので、一杯どうぞっていう時はソフトドリンクで。

――もともとお酒は飲まないんですか?AV撮影のために控えていたんじゃなくて?

チョコ 飲まないんじゃなくて、飲めないんでしょうね。多くの男優は、仕事のためにって、意識して飲まないようにしてましたけどね。やっぱりですね~、男は、飲むと、勃ちが弱くなる! 眠くなるのもあるんですけど。深酒するとね、頭の中では勃ってるつもりでも、言うこと聞かなくなっちゃう。

――中折れしちゃったりするんですね。

チョコ その通り。最悪な状態が中折れ。やる気はあるんだけど、中折れ。でも大丈夫ですよ、ほら、ED改善薬のレビトラ、シアリスがあるんで。これらのクスリはバイアグラみたく30分でギンッとこないんですよ。緩やか~に……。

――じゃ、本番の数時間前に?

チョコ いや、1時間前に飲んで、ゆっくりと、なだらか~に効いてくる。すごいのは、お酒飲んでても効いてくる。副作用も極めて少ない。そして次の日まで勃ってる! て感じです。それがすごいじゃないですか、10mgを半分か4分の1に細かくカットして、噛み砕いて、ゆっくりと吸収させて、ちょっと苦いんですけどね~。何でこんなに知ってんだ、ってね(笑)。

――今もお世話になってるんですか?

チョコ ん? ん? う~ん? 人間、そういうものに頼るようになると気持ちが弱くなりますよね。かつては、どんな時でも、どんな人が相手でも、精神力が強くて、絶対勃ってましたね。薬いらずの超人だったのになぁって。

撮影セックスのあとラブホ休憩セックス

――AVデビューされてからの恋愛事情についてお伺いしてもいいですか?

チョコ 女の子に出会うのは、撮影現場しかなかったんですよね。女優たちも男優たち、業界人の方が安心するんですよね。彼氏バレとか怖いから、「じゃ、手っ取り早く男優たちと遊ぼう」って。よくあるのは、男優たちが撮影後に、送り狼になるパターン。だからベンツなどのいい車に乗るんですけどね!

――業界内恋愛が常態化していたんですね。

チョコ 狙い目としては、有名女優は狙わない。高い女優だと、バレちゃったときに怖いんですよこれが。事務所に呼ばれて詰められて、結構事件ありましたよ。男優の監禁、軟禁事件。そこで男優たちが結論として辿り着いたのは、「企画女優と遊ぶのがベスト」。すぐ辞めちゃう子も多いですしね。

――でもそれって、「恋愛」とは違うものじゃないですか?

チョコ セフレ? っていうか、一晩限りでもない。

――2時間限り? 休憩ですか?

チョコ 女優さんを自宅まで送るべく車に乗せて、歌舞伎町のラブホにスッと入って、数時間後にちゃんと家に送っていくっていう。そこで男優のルールがありましてね。後腐れなく。サクっと。相手が求めてきても、よっぽどじゃないと次は会わない。

――う~~~ん。じゃ、女優さんとは付き合ってなかったんですか?

チョコ 深くは付き合わないですねぇ。というのも、恋愛関係になっちゃうと結構、悲しい想いもするんで。ちょっと有名な子になってくると、撮影現場が多くなる。プライベートで会ってる子と撮影現場で会うのが一番気まずい。1対1ならいいんですが、その子と3Pになっちゃったりすると最悪で。

――どういう感情なんですか?

チョコ 嫉妬ですよね。出来るだけ表に出さないようにするんですけど。でも、感情切り替えるのが面白いんですよ。「この男優には結構感じるんだな、コイツ」とか。ただ、もっと大変なのが、女の子が2、男優が1。この2対1がめちゃくちゃ気まずい。

――それはチョコさんとプラベで会ってる女優さんが、もう1人の女優さんに嫉妬するってことですか?

チョコ そうなんでしょうね。男優ってバカでしょう? 私はね、最終的に96年から2008年くらい、風俗業種、ソープの方と、交際じゃなくて、同棲してたことはありましたね。でも一緒に住んでおきながら、他の女の子を連れて帰っては遊んで、いつもバレてましたね。探偵とかつけられて、証拠写真撮られて。同棲してた子は「自称C65」の実質Bカップだったんだけど、私が浮気する女がいっつもFカップとか巨乳ばっかりだったんで、それに腹を立てて、彼女は豊胸しちゃって立派なEカップくらいに。最終的にその子も熟女モノAVに出るようになったんですけど、私は気まずいので共演NGにしてました。そういうこともありました。

――仕事で勃起して、私生活でも浮気勃起して、精力旺盛すぎますね。その女性とは長い間同棲して、結婚したいなぁと思ったりしなかったんですか?

チョコ うーん、しないと思ったんでしょうね。その女性がAVデビューしたのは別れた後なんですけど、許可なく勝手に「向井」をつけた芸名で出て来て驚きましたね。

――それって復讐の気持ちなんですかね。

チョコ 復讐劇ですよ~。今はもう和解して仲良くなってますけどね。

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