プロジェクトYSJ 出張報告書【11】
先日発足した「プロジェクトYSJ(夢子に精神科を受診させる)」の続きですうつ。これまでの報告については、こちらをご覧いただきたいうつ。
夢子が抑うつ的な状態なので、うつの妖精であるうつりんは夢子に精神科受診をすすめているうつ。けれど夢子は「近場でお祓いでも受けて済ませたい」とのたまってるうつ。厄払いとは、災難や疫病に見舞われてから、厄難を払い落すものうつ。そもそもは『祓え』という日本に古代からある呪的行為のひとつなんだうつ。
夢子「じゃあなに、病気になっちゃったからお祓いに行かなきゃって気持ちは、犬のフンを踏んだときに『バリア』のおまじないやらなきゃ!って慌てる小学生と同じってこと?」
うつりん「いや~、そこまではいってないうつよ。お祓いに行って心が落ち着くんなら、別に行ってもいいんじゃないうつか? 『穢れや厄は洗うことでは取れない。お祓いとお清めをしないと取れない』って信じている、夢子のなかのおばあちゃんがいるうつから。自分のなかのおばあちゃんを安心させてあげることも大事だと思ううつ」
夢子「私のなかに、おばあちゃんがいたのかぁ」
カレンダーの厄日、気にする派しない派
うつりん「夢子が『病院に行くよりお祓いに行くほうが世間体がいい』っていったのも、『穢』という大昔の概念がいかに現代にも続いてるかという証拠うつよね。いまだにカレンダーに厄日が印刷されてるのも、日本だけの不思議な風習うつ。厄日なんてなんの科学的根拠もないのに、21世紀になっても気にする人は気にするうつ」
夢子「会社でも年末にいろんなところからもらうカレンダー、厄日が書いてないのはいらないっておじさんたちがいってたー。ちなみに私は気にしないタイプ☆」
うつりん「あと現代にもつづく『穢』思想に、口にしちゃいけない言葉もあると思ううつ。たとえば、女性の性器を表す言葉うつね。ここ日本で、女性の性器を表す三文字を言ってごらんなさいうつ。もちろんセクハラ行為としてやっちゃだめうつよ。ところが性的な意味がない場合でも、その言葉を聞いたほとんどの人は、ものすごーくびっくりして、パニックになるうつでしょ」
夢子「文字? えーっと……ああ、あれか」
うつりん「性器を表す言葉は口にしちゃいけないし聞いてもいけなくて、まるで伝染病のウイルスのように恐れられているうつ。まあ性器の名称は、日本にかぎらず、ほとんどの人間社会で大きな声ではいってはならないとされてるうつけどね。タブーというやつうつ」※1
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