夢子「私もいま口に出そうとしてもなぜかいえない! 不思議!」
うつりん「話を厄払いに戻すうつ。大昔の日本では、流行病や伝染病が流行するのも疫病神のしわざと思われてきたうつ。※2 病気は厄、だから厄払いという考えに夢子がなったんだと思ううつ。夢子は流行病や伝染病は疫病神のせいでなる、といまでも思ってるうつか?」
夢子「思ってないよ! 流行病や伝染病はウイルスのせいだって知ってるよ!」
うつりん「その知識があるのに、厄払いに行きたいと思うんだから興味深いうつ。やっぱり19世紀の終わりからフロイトたちによってこころの病気の治療が存在していたヨーロッパに代々住んでいた人たちと違って、日本人には特殊なメンタリティがあるんだうつねぇ」
夢子「なんかバカにされてる……?」
うつりん「あっ否定してるんじゃないうつよ。伝統的な呪術、うつりんそういうのむしろ好きうつ。けどもう21世紀なんだし、呪術的なことだけに頼るのではなく、病気は病院で治療するという常識も、もっと日本に根付くといいうつね!」
※1 『こころの底に見えたもの』(なだいなだ・ちくまプリマ―新書)より
※2 『日本大百科全書』(相賀徹夫編集著作・小学館)より
(大和彩)
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