最後の質問において、「互いにエクスタシーを迎えられるセックス」もしくは「自分が気持よくなれるセックス」と回答した女性は、合わせて14%です。そして、その割には、約5割の女性が「セックスの満足にオーガズムは必要」と思っているそうです。
これをまとめると、同誌の読者は「オーガズムがないとほんとは満足できないけど、実際には自分の快楽よりも“愛情を感じること”が重要で、それさえ実感できれば私はセックスできれいになれる!」って思っている……ということになります。そのうえ、「ずばり、自分のセックスに自信はありますか?」という問いには、8割近くが「NO」と回答。ちなみにこれは男性の回答も紹介されていて、同じく8割近くが「NO」なのです。その理由は「テクやボディに自信がない」から。
セックスに自信が持てない男女が、快楽を後回しにしながらベッドのうえで重なりあって確認できる“愛情”って一体どんなものだろう? そんなセックスで「きれいになれる」と思えるって、どういう理屈なのだろう? 私はひたすら首をかしげてしまいました。
トンデモテクがなくなった代わり
同誌の特集といえば、かつては「フェラで口内射精されたら、唇の端から垂らしてみせる」といったトンデモテクが王道で、毎年ウォッチャーを沸かしていました。ところが、今年は「女性 → 男性のテクニック」は一切なし! その代わり【未知なる快感を巡る冒険へ! 官能女子養成講座】にページが割かれオナニー・レクチャーが展開されます。私はオナニー大推奨派ですが、オナニーすりゃ官能的な女子になれる、とはみじんも思えず、官能とはむしろ内面的な成熟が発露したものだと思うのですが、ここでは徹頭徹尾「オナニーで性感を探し、磨く方法」が説かれています。
続いて、【二人だからこそ見つけられる悦びも】と続きます。具体的には、「ここにある言葉をつぶやいたり、してもらいたいことを指差して彼におねだりしたり」して、自分がしてほしいプレイを彼にしてもらうための誘導テクが紹介されるページです。
これまで同誌が編み出してきたトンデモテクは、男性への「奉仕」色の強いものでした。今回はあくまで自分の快楽のため。一見、女性の主体性が発揮されているように見えます……が、この違和感は何なのでしょう? 男性におねだりしてほしい行為ひとつひとつに「Please」という語が添えられているのも引っかかるのですが、やはり他のページで紹介される“男性のセックス観”のなかに、女性の気遣いと奉仕を求める発言が散見されるからーーこれに尽きます。