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『an・an』が原点回帰、「セックスでキレイになる」に見る根深い固定観念

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 AV男優とAV監督による【人には聞けない性生活の悩み】回答を見てみましょう。女性が尿意を催してトイレに行きセックスを中断させたら、お詫びに「ご奉仕フェラ」をするよう勧め、バックですると痛い女性には「はっきり痛いと言われると男はためらってしまうので」という理由で、婉曲な言い回しを選んで男性に気遣うことを求められます。彼に喜んでもらいたくて感じているフリをしていることに悩む女性には、「相手にバレない演技なら、それはやさしさなので◎」といい、彼女がそもそも快感を得られていないことはまったくスルーされています。

芸人のセックス論、需要はどこに?

 さらにヒドいのが【僕たちがしたくなる瞬間、望んでいること】と題したピース綾部祐二氏NON STYLE井上裕介氏の対談です。「俺の好み」「俺の快感」のために女性がどうふるまうべきで、女性のNG行動は何なのかを披露しあうトークは、一体どんな需要に基づいて企画されたものなのか……。

 セックスまで持ち込めるか否かの駆け引きのときに彼らがしかけるのが、「手料理をリクエスト」「ひざ枕リクエスト」って……そんな母親的なものを求められても! このリクエストを受け入れてくれる女性はセックスもさせてくれるんだぜ~、って言葉を失うほどキモチワルイです。

 もちろん、実際の彼らがそんな性生活をしているかどうかはわかりません。「調子に乗っている芸人のクズっぷり」という役割期待に応えているだけのように見えなくもありません。でも仮にそうだとして、それを女性誌が発信し、女性読者に読ませる意味って何なのでしょう?

 全体をとおしてみると、女性側から「気遣い、奉仕、我慢」を差し出して、男性から「愛されているという実感(錯覚も含む)」をもらう……その交換こそが、an・an的セックスなのだという図が浮かび上がってきました。そんなセックスできれいになれる女性がいたら、私はぜひお目にかかりたい!

 最後に、毎年残る疑問をひとつ。どうして同誌は「気持よくなれるセックス」というストレートなテーマに取り組まないんでしょう。愛だの美だの、一見美しいようでその実セックスの本質と関係のないことを紐付けず、セックスの「快楽」にクローズアップすることってそんなにむずかしいことなのでしょうか?

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桃子

オトナのオモチャ約200種を所有し、それらを試しては、使用感をブログにつづるとともに、グッズを使ったラブコミュニケーションの楽しさを発信中。著書『今夜、コレを試します(OL桃子のオモチャ日記)』ブックマン社。

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